※本記事では『silent』のネタバレを含みます
12月22日に最終回を迎えた川口春奈(27)主演のドラマ『silent』(フジテレビ系)。
放送開始直後から青羽紬(川口)と難病で聴力をほとんど失った佐倉想(目黒蓮)の切ない恋愛模様が反響を呼び、TVerでの再生回数が歴代最高を記録するなど盛り上がりを見せた。
最終話では2人の気持ちが通じ合い、想が耳元でささやいた言葉に紬が嬉しそうに涙を流す。視聴者にも分からない“秘密の言葉”を伝える演出に、胸を打たれた人も多かったようだ。平均世帯視聴率は番組最高となる9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、SNS上では“ロス”が広がっている。
《silentなラスト 紬と想のこれからをまだまだ見ていたい》
《はあああもう余韻がすごい ほんといいドラマだった 来週からsilentロスや、、、、》
《この後の2人や、周りみんなの人生を見続けたいよ 寂しい》
そんななか、感動を巻き起こしたラストの裏で物議を醸していることが……。想の姉・井草華(石川恋)の2歳の子供・ゆうきの漢字表記が「優生」だと明らかになり、“優生思想を想起させる”と一部で批判の声が上がっているのだ。
8日に放送された第9話では、まだ妊娠中の華が“弟の病気がお腹の子供に遺伝するのでは”と気にするシーンがあった。
華は母・律子(篠原涼子)に「遺伝性ってさ、お母さんの子供が耳聞こえないってことはさ、私の子もありえるってことだよね」「どうすればいいの?もし(想と)同じ病気だったら」などと不安をぶつけた。しかし、出産後の検査で息子の耳は「聞こえる」と診断され、華は安堵する。
「華は息子に“優しく生きる”との意味を込めて『ゆうき』と名付けましたが、漢字表記の『優生』は字幕で判明したのです。華が出産前に遺伝性を気にしていたこともあり、障がい者を排除するような優生思想や旧優生保護法を連想した視聴者もいたようです。
加えて、本作の脚本家・生方美久さんは助産師の経験があるため、“そのような知識は有しているはず”と思った人も一部でいたようです。18日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)で、生方さんは『日本語が好き』『日本語がわかる人に観てほしい』と言葉へのこだわりを見せていました。それだけに、“なぜ憶測を呼ぶような名前をつけたのか”と疑問の声が上がってしまったようです」(テレビ誌ライター)
字幕で明らかになった「優生」という名。ドラマ本編で詳しい説明がなかったこともあり、SNS上では疑問を呈するが上がっている。
《遺伝性の聴覚障がい発症した役の姉が産んだ子供(妊娠時に子供に病気が出たらどうしようという表現があった)の名前に「優生」と名付けてて、その名前は1番ダメだろと思ってたけど、脚本家がこれならある意味納得》
《silentの想の姉が子どもに付けた名前について。「ゆうき」の字は優生だったのか…。字幕じゃなければ気が付かなかった。脚本家は優生という言葉の意味をわかってないのか?脚本家の前職が助産師だったことを考えると余計にその言葉の意味に対して慎重にならなくてはいけなかったと思うが》
《脚本家が若いらしいし知らないのかな優生保護法と思いきや、この人元・看護師助産師やし絶対習ってるやん。ダブルミーニング狙ってたとしたらグロテスクだ…》
脚本を担当した生方氏は、最終話放送後に《ドラマをつくってくれたスタッフ・キャストのみなさん、最後までみてくれた視聴者のみなさん、ありがとうございました この脚本を書けて幸せでした!》とツイート。波紋が広がる「優生」に言及することはなかった。