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剃髪した頭に顔を覆うような髭。大河ドラマ『どうする家康』(NHK)で、阿部寛(58)演じる武田信玄は威圧感たっぷりだった。ウェブサイト「シネマトゥデイ」(4月30日)のインタビューで、本人もこう語っている。

 

《特殊メイクと髭がすごいですよね。この2つの準備に、毎回3時間強かかる。(略)準備はすごく大変でした。でもおかげで、圧倒的な雰囲気を作ることが出来ました》

 

メークに3時間はなんと“大河史上最長”だとか。

 

「メークのために阿部さんはすべてスタジオ撮りです。異例づくめの演出でしたが、阿部さんは“高齢の父が喜んでくれるから”と今回の役を引き受けてくれたそうです」(制作関係者)

 

阿部の父親は96歳。かつては息子の映画の舞台挨拶にいつも駆けつけ、晴れ姿に目を細めていたというが……。

 

「コロナ禍以降、阿部さんはお父さんの体のことを考え、来場を控えてもらっているとか。その点、大河ドラマなら自宅で見られますから、心配はいりませんね」(スポーツ紙記者)

 

かねて父親のことを「世界でいちばん尊敬している」と話している阿部。エンジニアとして真面目に働き続け、子供3人を大学に通わせた苦労人だ。

 

「阿部さんの芸能界入りも“チャンスがあるならやってみればいい”と後押ししてくれたそうです。デビュー後、俳優としてのブレイクは遅かったのですが、仕事がうまくいかないときもずっとポジティブな言葉をかけてくれたとか」(前出・スポーツ紙記者)

 

いつも映画やドラマなど出演作をチェックし、「面白かったよ」などと感想を伝えることを忘れないという父。100歳が見えてきたいまも、阿部が大切にしている父との時間があるという。

 

《親父が僕の家に来たときに散歩するんですが、すごくいい時間なんですよ。2時間くらい、ただただ歩くだけですけど。(略)でも、その2時間は、それこそ映画になるんじゃないかと思うほど充実している》(「QJWeb」’21年9月11日)

 

松本潤(39)演じる徳川家康が最も恐れた戦国武将・信玄。その迫力が増すほどに、父の顔は優しくほころんでいたに違いない。

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