7月15日放送の『マツコ会議』(日本テレビ系)に出演した杏(37)。そこでの発言が賛否を集めている。
杏は22年にフランス・パリに3人の子どもと移住しており、現在は女優業とシングルマザー業に奮闘している。
パリでの子育て生活ぶりを問われた杏は「『3人、子どもがいてスゴイね』とたまに言っていただくこともあるんですけど。お母さん、人の手を頼りましょう!私は、一人では子育てしていません。できません。無理です。これは、声を大にして言いたいです」とコメント。自身の生活を「のたうち回っていろんな人にすがって生きている」と表現した。
だがこうした発言に対して視聴者からは応援する声と同じくらい、ネガティブな声も多く集まっている。
《ベビーシッター雇えって話しね》
《お金があるからこそ出来ること》
《多くの人はシンプルにお金が無いよ》
つまり“杏の発言は結局、お金がある側だからこそ言えるもの”という指摘だ。
なぜこうした発言が一定数以上集まるのか。その現状について、自身も一児の母であるコラムニストのおおしまりえ氏は「いま、日本中で金銭的な余裕がなくなりつつあります。そんななかで一部の人に“ある側・ない側”といった、ある種の思考停止状態が加速しているのではないでしょうか」と話す。以下、詳しく聞いた。
■「お金がない」で思考停止になる危うさ
今回、起こった賛否についてみていると、声の一部には「ちょっと危険では」といった感覚を抱かざるを得ません。それは彼女の発言について「お金がある人だからできること」と思考停止で発言を頭から拒絶し、情報の精査や気付きをそこで終わりにしてしまっている人が一定数いることです。
ちなみに杏さんは、「ベビーシッターを活用せよ」と明言はしていません。彼女の言う“人の手”とはご親族、友人、知人、保育園などの施設も含めた、ありとあらゆる有償無償の他人の力を頼りながら頑張ることを勧めていると推測されます。
なのに批判する側の主張はなぜかベビーシッターの一点に集約されており、同時にそれに対して「お金がない」と即拒絶しているのが印象的です。
もちろん現状、お金に余裕がないという事情のご家庭もあると思います。とはいえ発言に対して「受け入れない理由」を真っ先に考えてしまう姿勢は、所得格差だけでなく、情報格差をも助長してしまうのではと思うのです。