9月30日、宝塚歌劇団に所属する25歳の女性が、自宅マンションから飛び降り亡くなっているところが発見された。週刊文春の報道によると、女性はいじめを受けていたとされており、死の原因が追求されているところである。
10月7日、宝塚歌劇団の理事長である木場健之氏が記者会見を開き、この件について言及。週刊誌でのいじめの報道について「書かれている内容について両当事者にも、周囲にも聞いておりますが、問題となるものはなかった」と説明した。さらに10月12日、公式サイトを更新し、外部の弁護士による調査チームを立ち上げることを発表した。
唯一無二の存在ゆえ、親子何代にもわたる熱心なファンも多いことで知られる宝塚歌劇団。
今回の報道はファンの間でもショックが広がっているようで、宝塚OB女優たちの在籍時のエピソードが再度注目を集めている。
’19年3月に出演したテレビ番組にて、はいだしょうこ(44)は「音楽学校を卒業すると、歌劇団に入ってまた1年生になるので大変。宝塚は音楽学校1年目が一番厳しい」「顔が生意気と怒られた」と宝塚時代の苦労を語っていた。
音楽学校を主席で卒業し、数カ月歌劇団に在籍していた女優で歌手の小柳ルミ子(71)は、’07年の「週刊大衆」のインタビューにてこう語っている。
「衣装に袖を通す。ファスナーに指をやるとチクリと痛みが。釘が一本刺さっていて、指に食い込んでいるんです」
さらに、同期には真矢ミキ(59)がおり、歌劇団入団2年目にして大地真央の相手役として娘役トップにのぼりつめた黒木瞳(63)は、ファンからの嫌がらせに遭遇したと女性誌『グラツィア』09年3月号の連載で明かしていた。
「楽屋入りのとき、“ファンです。がんばってください。これ、食べてください”。女の子がふたり、私に手渡してくれたサンドウィッチ(中略)一口食べたら、“ジャリ”と口の中で音がした。サンドウィッチにたくさんの砂が入っているのだと理解できるまで、二秒」
’21年10月にTBS系「news23」内でのインタビューで、天海祐希(56)は「(被害経験は)ありますよ。もちろん。小学生のときもそうですし、宝塚時代も厳しかったですけど」といじめられた経験があると明かした。
「今、いじめの問題がいっぱいありますでしょう? どうして助けられなかったんだろうとか、それは悔しいし、悲しい」と心情を吐露し、いじめられている人に向け「本当にまだまだ、すてきな未来が待っているから。そこの一瞬だけがあなたの人生のすべてではないから。たくさんの未来があって、この世界はとても美しいと思うから。それをぜひ見てほしい」とメッセージを送っていた。
’70年に入団した小柳から’98年に入団したはいだまで、時折明かされてきた宝塚内での過酷な経験。今回のいじめ疑惑の究明が待たれている。