(写真:山田圭子氏のXアカウントより) 画像を見る

昨年10月クールに放送された連続ドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)。原作者の芦原妃名子さん(享年50)が、脚本をめぐるトラブルをXで告白した数日後に急逝したことで、原作のある作品の映像化における“理不尽な改変”に注目が集まっている。

 

芦原さんの場合、原作漫画が連載中の作品であったことなどからドラマ化の条件として漫画に忠実であることや、そうでない場合は原作者が加筆修正を行うことなどを提示していた。しかし、改変があまりに多かったことから、急遽ドラマ9話、10話の脚本を芦原さんが担当することになったと明かしていた。

 

そんななか、映像化に伴う“改変”での苦い体験を、少女漫画家の山田圭子氏が明かした。『ゴーゴーヘブン!!』などの代表作品がある山田氏は、2月1日にXを更新し、次のようにつづっている。

 

《実はちょっと昔に私にも映画化の話が来て、監督にもお会いしたし製作委員会まで立ち上がったんだけど、シナリオがキャラの名前とキモの設定以外まるっきり違うので困惑し…。ドジでポワポワしてるヒロインが天才少女になるし、スポンサーへの忖度でサッカー部が自転車レースになるし》

 

その後、シナリオに対して9回修正を要求したというが《やればやるほど変になった。いまにして思えば私が根負けしてOK出すのを期待していたのかもしれん…。企画は頓挫しましたが、完成しなくて良かったですよ》と、最終的に映像化に至らなかったことに安どしていた。

 

当時の状況について、山田氏は《映画の話が来たのは紙単行本が絶版になったあとの話で、出版社のメディア事業部が窓口になり交渉してくれるような状況じゃなかった。盾になってくれる人はいないし、不安で。私に出来るのは脚本を突き返して直して貰うことだけだった》と振り返っている。

 

製作委員会のあまりに原作とかけ離れた改変要求に対し、SNS上では衝撃を受ける人が多数現れた。

 

《サッカー部を自転車レース部にしたらもう別の漫画…》
《サッカーが自転車…原型とどめてない》
《すごいな。何回も断るのってエネルギー使うし、そんな負担をかけることを当然だと監督や脚本家は思わないで欲しい》
《まるっきり別物過ぎて制作は何をしたいんだか意味不明、普通にオリジナルでやれよと思う…》
《原作殺してんじゃん……。マジでなんなんだろうな、こういうの……。》

 

もちろん映像化における改変は全てが悪ということではない。’15年に公開された人気漫画『進撃の巨人』の実写映画では、原作者の諌山創氏が「原作の枠を取っ払ってほしい」とオーダーし、「時代背景を現代に」と改変を提案したことが知られている。原作者と制作側、双方が納得できる形での”映像化”が行われることを願うばかりだ――。

出典元:

WEB女性自身

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