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「皆さん、松也を、松也のほうを見てください!」

 

男性に促され、パーティ参加者の注目を集めた尾上松也(39)。彼が謝辞を述べると、ほどなくしてカウントダウンが始まった。

 

「スリーーッ、ツーーッ、ワンッ、フゥーーーッ! おめでとー!」

 

1月30日午前0時、日付が変わった瞬間、都内のとあるバーには松也を祝福する人々の声が響き渡り、店外まで漏れ聞こえていた。

 

「会員制のバーを借り切って松也さんの誕生会を開催したそうです。男女比率はおおむね半々で、総勢60人以上が集まったとか。親友の城田優さん(38)や、一緒に番組に出演していたアナウンサーの宇賀なつみさん(37)など、芸能人も数多く参加していました」(芸能関係者)

 

豪華な面々に盛大に祝われた松也だが、実はこのパーティの直前まで、別の会合にも参加していた。

 

中村獅童さん(51)ら歌舞伎関係者との食事会だったそうです。彼は松也さんを弟のようにかわいがっていますからね。昨年の自分の誕生日には、松也さんとのツーショットをSNSに投稿していました」(前出・芸能関係者)

 

獅童は’23年6月、『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)に出演した際、松也との関係をこう語っている。

 

「僕と同じような境遇だけど、師匠であるお父さまを亡くして大変だろうなという思いで見ていました。自分が出し物するときは声をかけさせていただいて、微力ながらもお役に立てればなという思いだった」

 

松也と獅童はどちらも梨園に強力な後ろ盾がおらず、いわゆる“名門の御曹司”ではなかった。

 

「松也さんは20歳のときに父を亡くし、一門と家族の生活を背負っていくことになりました。歌舞伎では役がなかなかつかず、’09年に始めた自主公演『挑む』は集客に失敗し、赤字を出して借金をしたこともあったそうです。その後、自分の道を切り開くため、獅童さんと同じようにドラマ映画、舞台などに活躍の場を広げていきました。名を上げるために苦労した2人は共感できる部分も多いのでしょう」(梨園関係者)

 

松也は父の死から10年近く不遇の時代を過ごしている。

 

「家系に関してのコンプレックスは公言していますが、当時は同じ学校の同世代が活躍していることへの焦りや悔しさもあったと聞いています」(前出・芸能関係者)

松也は堀越高校出身で、同学年に生田斗真、1学年上に松本潤、1学年下に城田優、山下智久らがいる。

 

「特に生田さんは松也さんの自宅によく泊まりに来ていたほど仲がよいそうです。高校時代に2人が一緒に遊んでいたら、生田さんに気付いた女のコたちが隣にいる松也さんを見て『一般のお友達といる!』と言ったことがあったのだとか。『俺も芸能コースにいるのに知名度も人気も天と地の差で、悔しかった』と話していたそうです」(前出・芸能関係者)

 

転機は’14年の『SMAP×SMAP』への出演だったと松也は振り返っている。

 

《意外だったのですが、SMAPのみなさんも僕をしっかりイジってくださいまして(笑)。バラエティー番組のお話をたくさんいただけるようになったんです》(『週刊朝日』’22年10月7日号)

 

持ち前のキャラでバラエティ番組に引っ張りだこになったのだ。

 

「ユーモラスでイジられ役になれるだけでなく、人脈が広く、人気俳優とのエピソードトークも豊富なので、重宝されるのでしょう。プライベートでは演技論や歌舞伎への愛を熱く語るというギャップもあり、同性に慕われ、先輩からはかわいがられる“天性の人たらし”ですね」(前出・芸能関係者)

 

シーンは冒頭のパーティに戻る。夜が更けていくと、ちらほらと帰路につく参加者の姿が。そんななか、本誌は店外で女性と熱烈に抱き合う松也の姿を目撃した。

 

「誕生会は22時すぎにスタートし、朝方まで続きましたが、松也さんは泥酔もせず、写真撮影にも快く応じるなど、終始ゲストをもてなす姿が印象的だったそうです。女性客は30人ほどいて、彼女たちが帰るときには、ほぼ全員とハグをしていました」(前出・芸能関係者)

 

サービス精神を発揮していた松也だが、ある野望を胸に秘めているという。

 

《歌舞伎においては、ゆくゆくは古典と呼ばれるような新作歌舞伎を、いつかは作りたいなと思っています》(『週刊現代』’21年3月20日号)

 

実際、’23年には新作歌舞伎『刀剣乱舞』で演出に初挑戦している。

 

「松也さんは『歌舞伎へ恩返ししたい』と口にしていますが、同時に過去の悔しさから梨園を見返したい気持ちも強いのだと思います。’21年に自主公演の歌舞伎で生田さんを客演に迎えたように、プライベートやテレビの仕事で築いた人脈を生かし、出演者も演出も既存の風習にとらわれない新次元の歌舞伎を作ろうとしているのかもしれません」(前出・芸能関係者)

 

かつて梨園のプリンスと呼ばれた松也は今、梨園の“裏”帝王への道を邁進している。

 

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