「源氏物語」の作者・紫式部(まひろ)の生涯を描いたNHK大河ドラマ『光る君へ』。2月11日放送の第6話では、「枕草子」の作者・清少納言(ききょう)が登場した。紫式部のライバルとして名高い、重要な存在だ。
この役を演じたのはファーストサマーウイカ(33)。登場シーンでは、まひろが語った詩の感想に強めに反論。大河ドラマ初出演ながら堂々とした立ち回りに、SNS上では絶賛が相次いだ。
《ファーストサマーウイカを清少納言にキャスティングした人、凄い。まごうことなき清少納言だった。おそるべし陽キャにおののきた。向かうところ敵なし。ウイカちゃん、最高!(原文ママ)》
《ウイカ少納言おちゃめで愛らしくて最高だった》
《ウイカさんの清少納言良かった!ハマり役確定。刺々しく毒あるけど品のある雰囲気がピッタリ》
脚本を手掛ける大石静さんも、出演者発表時に「ファーストサマーウイカさんには会った途端、清少納言だと思いました」とコメントを出すほどのハマりっぷり。そんな名演の裏には、ウイカの熱い意志があったようだ。
彼女は、下積み時代から大河を目指して“あること”を禁止してきた。
「ずっと昔から役者さんになりたくて。いつか時代劇に出たくて、ピアスを開けませんでした。本当はファッションも好きやし、こだわりあるから、ピアス開けた方が楽なこといっぱいあるんですけど」(『上田と女が吠える夜』、’23年2月15日放送)
別番組でもこんな告白をしていた。
「今の技術だったら画面で消せるし、結構皆さん開いているんですよ。でもオーディションの時にほぼほぼ互角のスペックで、開いている女と開いていない女並んだ時に競り負けたくないから、穴一つで負けないように」(『あちこちオードリー』(テレビ東京系)、’23年9月13日放送)
それぐらい、彼女は本気で願掛けをしていたようだ。
そんな中、1つのバラエティをきっかけにして、彼女はTVに引っ張りだこの人気者に。
「役者を志し、’09年から劇団員やアイドルとして長年活動していたウイカさん。ようやくブレイクのきっかけをつかんだのが、’19年の『女が女に怒る夜』(現在は『上田と女が吠える夜』)。タレントとして初めて1人で出演したこの番組で、抜群のトーク力を見せつけたのです」(スポーツ紙記者)
実はこの番組、清少納言との“奇妙な縁”がある。
なんと「枕草子をバラエティー番組にしようと思って」始まったというのだ。『上田と女が吠える夜』プロデューサーの前川瞳美さんはかつてインタビューでこう語っていた。
「枕草子的なイメージは最初からあった気がします。女性陣から出てくるワードがあまりにも細かくて、1周回って詩的な感じというか。普通の人は、“この人のこういうところがモヤッとするな”と思ったとしても、なんだろうこのモヤモヤ…くらいで終わる。それをちゃんと言葉にできるスゴさ」(「日本テレビ」公式サイト、’22年6月20日配信)
ウイカ自身も、プロデューサーからこの話を聞き驚いたそうだ。
「『急いでるときに話の長い人に話しかけられたらイラっとしない?』とか、『吠える夜』で言いそうなあるあるテーマが結構書かれてるから、それを番組にしたいなって始めた番組だったんですって。そこから生まれた私が清少納言をやるっていう…めちゃくちゃ『徹子の部屋』で話したいエピソードトークなんです」(『太田上田』(中京テレビ)、’23年7月11日放送)
まるで「清少納言になるべくして」生まれたウイカ。今後の演技にも期待が広がるーー。