■昭和はよかっただけでは本質を見失う
ちなみに、ムッチ先輩がドラマで乗り回しているバイクとヘルメットは、近藤真彦主演映画『ハイティーン・ブギ』でも登場したものと同じというこだわりぶりも。
「一世を風靡したおニャン子クラブの衣装として一気に爆発的に売れた『セーラーズ』や若者にとっては高嶺の花だったカセットの『メタルテープ』など、“昭和の薫り”がセリフのところどころに出てくるのもたまりません。
レンズ付きフィルム『写ルンです』が登場したり、家の電話にレースのカバーがかかっていたりと、懐かしさを感じるものが満載。宜保愛子さんも当時は大人気でした」(田幸さん)
また、ゴールデンタイムにもかかわらず“ちょっとエッチ”なシーンが満載の中山美穂主演のドラマ『毎度おさわがせします』(TBS系)や『11PM』(日本テレビ系)や『トゥナイト』(テレビ朝日系)などのフレーズもよく出てくる。影山教授が語る。
「僕もお色気がある深夜バラエティ番組のプロデューサーをしましたが、今では企画書さえ通らないでしょうね。とはいえ、『昭和はよかった』だけの視点で見てしまうと、このドラマの本質を見失う気がします。宮藤官九郎が手がけていることから、令和というコンプライアンスの厳しい時代を“昭和のおじさん”がスッキリさせることが今後も続くはずもなく、これからが本当の見どころでしょう」
昭和の小ネタ探しをしながら、今後の展開を期待しよう!