「日本シリーズと同じ日に始まったワールドシリーズ(以下WS)の放送権をたまたまフジが取得できたことで金一封が出る勢いで視聴率も爆上がりなことが、NPB(日本野球機構)はよほど気に入らないのかと感じています。
フジはWSで、朝は生中継、夜はハイライト番組を編成しています。このハイライト番組が日本シリーズの裏番組として編成していたことで逆鱗に触れたようですね。具体的には、日本シリーズの第1戦、第2戦を他局が生放送中に、再びWSを放送したわけで、これが影響したと見られています」(フジテレビ関係者)
10月30日、NPBがフジテレビに対して日本シリーズ第1戦、第2戦(26日、27日)の取材パスを没収していたことが一部で明らかになった。
フジテレビはDeNAの本拠地・横浜スタジアムでの第1戦を前に、NPBから日本シリーズ全体を取材できるパスを取り上げられたが、フジ系列でソフトバンクが本拠地を構える福岡の地元局・テレビ西日本(TNC)がフジテレビとは別会社ということもあり、取材パスは支給されていたことで取材自体は問題なく行われたという。
「TNCの取材パスは、本来系列キー局を示すため『フジテレビ』と書いてあるはずの場所がマジックで黒塗りにされていたようです。他社もそれをみて『意味ないじゃん!』と笑っていましたよ」(スポーツ紙関係者)
NPBの幹部は“日本の野球界全体で日本一を決める試合を行っている裏に、わざわざWSの番組をぶつけてくるのはおかしい”と疑問を呈していたというが、29日の第3戦は予定通りにフジテレビが生中継した。前出のフジテレビ関係者は言う。
「この日だけは、フジはWSのダイジェスト番組を18時前から40分ほどの“短縮版”で放送。日本シリーズは当初の予定通り、18時半から放送しました。名目上、“取材パス剥奪”はしましたが、別契約という理由で、第3戦はトラブルにはなっていません。
現状では、日本シリーズ後の取材も制限されるとみられています。ただ、系列局での取材はできているので現場は全く気にしていないです。NPBからすれば“足を引っ張られた”という認識で『絶対に許さない』と大激怒しているようなんですが、なんだか大谷選手への嫉妬のようにも感じます(苦笑)。テレビ局に腹いせをするのは筋違いですよ。社内では日本シリーズ取材パス没収より、WSが第7戦までもつれるかどうかの話題でもちきりですね」