「登場人物に対する愛着が違う」『あんぱん』放送1ヵ月で見えた不評『おむすび』との“明確な差”《5月前半読まれた記事》
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■ヒロインへの共感度を左右した”子供時代”の描き方

 

一方で、「あらゆるものに忖度した結果が『おむすび』だった」と桧山さんは指摘する。

 

「橋本さんを可愛くて素晴らしい人物にみせようとし過ぎて、逆に感情移入がしにくかったです。常に主役は”結”で、手柄も全部結のもの(笑)。特に『おむすび』では冒頭から橋本さんが登場して、子役が演じたのは回想シーンのみだったことも結への親しみを沸かせにくくしていました。

 

『あんぱん』では第1話の冒頭、主演2人の本気の”老けメイク”から始まり、2週目まで子役たちが物語を引っ張っていく。素晴らしい子役たちとしっかりと物語を共有してから大人になっているので、登場人物に対する愛着も違います」

 

また、『おむすび』と『あんぱん』という”食べ物”をめぐる描き方にも大きな差があるという。

 

「『おむすび』では”悲しいときも美味しい物を食べたら元気になる”からと、『食べり』と言って食べることを押し付けているように見えました。でも、『あんぱん』ではみんなが本当に幸せそうに食べていて押し付けがましさがないんです。

 

食べることを主体とする物語の『おむすび』では食べる喜びが全然描けてなかったのに対して、『あんぱん』はパンが主役ではないのに、そのあんぱんを食べるシーンがすごくよく描かれていて、実際にあんぱんが売れる現象も起きています。

 

逆に『おむすび』では結が初めてパートナーの翔也に作ったお弁当がおむすびじゃないんですよ。”おむすびちゃうんかい!”って思いましたよ。肝心なところでおむすびへの愛情が足りてないんですよね」

 

最後に、『あんぱん』には史実ならではのよさもあると桧山さんは話す。

 

「『あんぱん』は第1話の冒頭、初老になった徹夜明けのやなせさんがアンパンマンの絵を描いていて、のぶがカーテンを開けるところから始まるので、少なくともそこまでは描かれるという到達点が見えています。

 

『おむすび』は史実でない分、いつ終わるかわからない闇鍋のような耐久レースでしたが、今回は晩年から始まったことによって、ここに行き着くまでの物語をこれから見せていただけるという安心感があります。今後は戦争や千尋の死など悲しい描写もあるでしょうが、それも含めてやなせさんの人生そのものの面白さはわかっているので、どんなふうに描くのかが楽しみです」

 

朝ドラのワクワク感を楽しめる半年間になりそうだ。

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出典元:

WEB女性自身

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