「朝ドラ以降、いただくお仕事の量は増えました。でも、自分自身はあまり変わっていなくて」
そう語るのは今、もっとも注目の若手女優・吉岡里帆(23)。NHK連続テレビ小説『あさが来た』でヒロイン・あさの娘、千代の親友・田村宜を演じ、その演技が高く評価された。
「芝居をするうえで、『まだ何かできる』と工夫することを諦めない気持ちだったり、『絶対、爪痕を残すぞ』という思いで現場に立つことだったり、大事にしたい思いは変わりません。まさしく“小さなことからコツコツと”ですね。私、西川きよし師匠をリスペクトしているんです(笑)」
そんなひたむきな情熱を燃やす彼女が目下、全力投球するのが、新ドラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(フジテレビ系・火曜21時〜)。吉田羊扮する先輩医師の破天荒な言動に振り回されながらも、よき相棒として、日々、患者の病いの究明に邁進する研修医・田丸綾香を演じる。
「ふだんなじみのない、解明が難しい謎の病いを取り上げている点と、手術シーンが見せ場ではないというのは、これまでの医療ドラマにはなかった試みだと思います。それに、解析診断部に所属する7人の女性医師が完璧じゃないところがいいんですよ。どこか欠けているというか、そこがまた愛おしくて、人間味があって面白い。見る人にも身近に感じていただけると思います」
女性が集えば、自然と始まるのが女子トーク。こちらの現場では……。
「急にたくさんお姉ちゃんができたような気分です。滝沢沙織さんがご自身でやられている農園のお話を聞いて、見た目とのギャップに驚くし。白鳥久美子(たんぽぽ)さんが何か言うたび、みなさん噴き出しちゃって(笑)」
また、主演の吉田からは、相手が監督だろうが、自分の意見をきちんと伝えることの大切さを教わったとも。
「私が監督の演出を納得していないのを察して、『違うと思ったら、言っていいのよ。演じているあなたがいちばんわかっているはずだから』と助言してくださった。スッと心に入ってきて、うれしかったですね」
エキストラから始まった役者人生。満開の花を咲かせるのは、これからだ。
「こんな役も、あんな役もやらせたい。そう思ってもらえるような役者になりたいですね。いろいろ経験して、演技の幅を広げて。まずは、やっぱり、小さいことからコツコツと、です(笑)」