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人生100年時代を自分らしく生きるための手段としての「再キャリア(セカンドキャリア)」という選択。最近、子育て後に再ブレークする読者世代の芸能人が目立ちます。かつてよりも“共感度”を増した彼女たちに、仕事復帰までの道のりと今の心境について聞きました。

 

「妊娠がわかったのは33歳になるころ。若いうちにさまざまな経験ができて、仕事はある程度やり尽くした感がありました。思い残すことなく落ち着いて子育てに集中できる環境だったんです」

 

19歳で『雨だれ』でソロデビューして以来、シンガー・ソングライターとして輝き続ける太田裕美さん(63)は’85年、30歳で音楽プロデューサーの福岡智彦さんと結婚。

 

第1子妊娠を機に仕事を大幅にセーブし、’89年に長男が、’91年には次男が誕生した。次男が幼稚園に入園するまでの約6年間のゆるやかな生活があったからこそ、今があるのかも、と“育休時代”を振り返る。

 

「子育てを中心に、仕事は年に数回させていただくというペースでした。事務所には『産休を取りたい』と告げたら『じゃあ、また動けるようになったら』と快く送り出してくれました。理解があってよかったと思います」

 

音楽業界で生きる夫は多忙で、当時は太田さんのワンオペ育児。年に数回ある仕事は気分転換になり、ありがたかったという。

 

「CMのレコーディングとか、1日で終わるものばかりでした。帰宅すると『いい子にしていたね』って、また新しい気持ちで子どもたちと向き合えました」

 

慌ただしい生活が一変したが、冒頭のとおり、太田さんはこの機会に穏やかな生活を謳歌したいと考えていた。

 

「時間を気にせず行く映画や、ママ友とのランチ。学校の行事に参加したり、趣味の時間を楽しんだり。何もかもそれまで音楽だけで生きていたときには、できなかったこと。芸能界では出会えなかったさまざまな世界の人たちとの交流がとても新鮮でした」

 

そんななかでも、食事や生活習慣を改善したことは、人生の大きな転機に。今は生ゴミを堆肥としてリサイクルし、自宅に太陽光発電を取り入れるなど、環境にやさしい生活を送るようになった。

 

「人間を育てていくってすごいことだと感じたんです。朝も早起きになりますし、何より食事の大切さに気がついて。食を取り巻く環境についても自然と学ぶことになりました。奇麗な川の流れは、当たり前にそこにあり続けるのではない。人間社会が関わるようになった今、その美しさを未来につなげるために、私たちは何をしたらいいのか――。そんな思いを声高に発信するのではなく、じわじわ、みんなに伝えられるといいなぁと願うようになりました」

 

ライブ活動についても、自然に「そろそろできたら」と思うようになり、’96年に再開。

 

「ピアノの弾き語りで。久しぶりのライブなので、誰か来てくださったらいいなと思っていたんですが、本当にたくさんの方が忘れずに来てくださって」

 

このライブが「独身時代よりもさらに音域が広がり、声量が増した」という評判を呼び、次々と仕事のオファーが舞い込んだ。

 

「精神的にも肉体的にも、声的にも休養になったことがよかったのでしょう。再開したときに、『あ、声が変わっている。前よりも落ち着いた』という感じがあったんです。やっぱり、人間って走り続けるだけではなく、休むことが必要なんですね」

 

’04年から伊勢正三、大野真澄の3人で「なごみーず」を結成し、コンサート活動を展開するなど、今もジャンルの垣根を越えて活動。若手とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。

 

「新しいことが好きなので、いろいろな人とチャレンジができたら、と思います」

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