「一般的にいえばジャニーズは確かに“アイドル事務所”です。でも皆が自分の意志を持ち、“かっこいい”と思うものをやる。それが女のコの目をハートにするのだと思います」
ジャニーズのアイドルたちは、大人になっていく過程のなかで、“己の意志”というものを大切にしている。そう熱く語るのは、主演舞台『SaGa THE STAGE~七英雄の帰還~』(10月2~8日東京・シアター1010/10月17~21日大阪・サンケイホールブリーゼ)で初演出に挑んでいる佐藤アツヒロ(45)。
「同時に、応援してくださるファンの皆さんとの絆も深めていき、1つ1つを歴史にしていく。常に自分たちで決めて、走り続けています。ときに“己の意志”で方向性を変えることも、これまでの歴史のなかではありました。そんなときも最終的には、やはり“男”として決断しているのです」
そんな“男の集団”ジャニーズの個性あふれるメンバーの中で、アツヒロが演劇と向き合い、共演してきた男たちのエピソードを語ってもらった。
■大野智(37)・’08年舞台『プーシリーズ episode1 アマツカゼ―天つ風―』で共演
大野の舞台『プーシリーズ』を全部見ていると、ふだんから“大野好き”を公言しているアツヒロ。
「嵐がデビューして、まだ3~4年のころかな。『プーシリーズ』を見に行ったら、あまりにも大ちゃんがよかったから、びっくりしました。立ち回りや芝居、立ち姿がいいなって」
5年後の’08年には舞台『プーシリーズ episode1 アマツカゼ~天つ風~』で、アツヒロは大野の敵役として共演することに。
「人は見かけによらない、っていうけど、大ちゃんはまさにそう。ふだんは眠そうにしているけど、本番になったら、めっちゃ力を出すんです。そのギャップが凄い。絶対、陰で練習していると思います。そうでないとできない」
舞台が千秋楽を迎えた後、大野はアツヒロに「僕、どうでしたか?」と聞いてきたという。
「すごくよかったけど、あそことあそこは、もっとこうしたほうがよかったかなって答えたんです。そうしたら、あの大ちゃんが珍しく『何で(もっと早く)言ってくれなかったんですか!』と強めに抗議してきて……。『だって俺、演出家じゃないから』って言ったんですけどね」
そんなアツヒロだが、ある食事会で同席した嵐の5人に、グループアイドルのコンサートでの表現方法について、さまざまなアドバイスを送ったことも。
「(光GENJIは)7人だからこそのフォーメーションがしっかりできていたという話をしました」
そのことが事務所関係者の耳に入り、これがきっかけとなって、アツヒロは’03~’04年の嵐のコンサートを手伝うことになる。
「構成を担当していた松潤(松本潤)とは『この曲が前半にきたほうが盛り上がるよ』『ラストはあの曲じゃない』みたいな話をたくさんしました」
当時の嵐は結成から約5年。アツヒロの目にはどんなふうに映っていたのだろう。
「松潤は“ものつくり”に興味がある感じでしたね。そんな松潤が言うことを、ほかのメンバーが『そうだね』『そうだね』って聞いて、櫻井(翔)がまとめる。ニノ(二宮和也)がまとめている部分もわりとあったかも。相葉(雅紀)ちゃんはかわいらしかった(笑)。大ちゃんはやっぱり、ふだんはボーっとしているんだけど、ステージに立つとスイッチが入る。それを見て、みんなもスイッチが入る。オーラも凄かったです。最近はカウントダウンコンサートで一緒になるくらいだけど、会うとやっぱり楽しいですね」