ホットパンツから伸びるスラリとした長い脚が、軽快なリズムに乗って絡み合う。メンバーが一糸乱れずクルリン、クルリン、アップテンポで美脚を回してステップを踏む――。

 

K-POPのガールズグループ「少女時代」を、日本人に圧倒的に印象づけた大ヒット曲『Genie』。その“美脚ダンス”は、8年たった今でも記憶に鮮明だ。

 

「とくに美脚効果を狙ったわけではなくて、感覚で作った振付でした。なのに、すごい反響だったから、こっちがビックリしましたよ」

 

美脚ダンスの生みの親、仲宗根梨乃さん(39)はそう言うと、豪快に笑った。19歳で渡米し、ジャネット・ジャクソンやブリトニー・スピアーズ、グエン・ステファニーなど、世界的なビッグネームのバックダンサーや振付師として、仕事をしてきた梨乃さん。それだけにアメリカでの華々しい経歴よりも“美脚”で注目されたことが何よりも「サプラ~イズ!」だったようだ。

 

「そこなの、日本? って感じ。アハハッ」

 

魂の熱さはそのままに、梨乃さんは常にハイテンション。オーバーアクションでパキパキ話す。キレッキレのダンス、開けっ広げの笑顔で、周囲の人を一瞬にして巻き込んでしまう。

 

K-POPの仕事は’08年、「SHINee」のデビューシングルの振付から始まった。「今度デビューするボーイズグループの振付をしてほしい」と、韓国の大手事務所「SMエンターテインメント」(以下、SM)から連絡が入ったのは、同年、梨乃さんが28歳のとき。

 

「YouTubeに上がっていた私の振付動画を見て、依頼してきてくれたんです。LAで教えているダンス・クラスの映像を、誰かが上げたらしいんですけど……」

 

思いもかけないところから新しいチャンスがやってくる。

 

「デビュー前のSHINeeのメンバーは、シャイでしたね。上が19歳、下が15歳。初々しくて礼儀正しく、かわいかった。『初めまして』って、おでこがテーブルにくっつくんじゃないかってくらい頭を下げてお辞儀をして(笑)」

 

SHINeeのデビュー曲『Replay』は、大ヒット。その後も立て続けにヒットを飛ばす彼らと共に、彼女の振付にも注目が集まった。

 

以降、少女時代や東方神起、BoAなど、他のK-POPのスターたちからも引っ張りだこに。

 

「東方神起」の振付は、彼らが2人体制になった’11年からだ。

 

「彼らは本当に日本語が上手。噂では、私よりユノのほうが、日本語が上手といわれているとか。最近会ったときも『後輩たちをよろしくお願いします』って、カンパニーに対してはもちろん、彼らと関わっている周りの人々に対しての気配りなど、人として尊敬しています。彼らはステージに上がると、気を抜くところが一切ない、敬服しますね。2人とも兵役を終えて、ますますパワフルだし、カッコよさがハンパないです」

 

振付師の仕事は、与えられた楽曲で、アーティストの魅力をより引き出すための作品作りだ。

 

「私は感覚で作っていくタイプ。でも、依頼となると、感覚ではなく、考えなければならなくて。白髪も増えてくるわけですよ(笑)」

 

4年ほど前から、コンサートの演出も手がけるようになった。「振付の千倍、大変」になったが、アーティストが本番で返してくれる手応えに、刺激を受け、喜びも大きかった。

 

最近では演技に開眼。準主役に抜擢された映画『ジーマーミ豆腐』は9月、故郷・沖縄で公開されたばかりだ。

 

「演技をやるなら絶対、ハリウッド。やっぱりLAのエンタテインメントでやっていきたい」

 

自分の可能性を求めて、梨乃さんはどこまでも羽ばたき続ける。