「クソクソ言われ続けて、坂本さんもツライだろうなと思ってました!でもミスが多いし、すぐムーミンに逃げるし……。演じながらも『この人はこの人で原因があるな』と思っていました(笑)」

 

そう語るのは、ずんの飯尾和樹(49)だ。飯尾は今年「東京ドラマアウォード2018」で圧巻の6部門を受賞した、石原さとみ(31)主演ドラマ「アンナチュラル」(TBS系)に出演。名作ドラマとして名高い同作で、井浦新(44)演じる中堂系に「クソ」と連呼されるなどパワハラを受ける部下・坂本誠をみごとに演じきった。

 

「『アンナチュラル』の現場は、ずっと楽しかったですね。皆さんすごく優しくしてくださったので、『芸人だから』という壁みたいなものは感じなかったです。豪華な差し入れを、みんなでモグモグしながら打ち解けました。ただ演技をするシーンになると、皆さん途端にスイッチが入る。その切り替えがすごいなって思いましたね。僕なんてカメラの前に立っても、まだモグモグした顔のままでしたから(笑)」

 

現在、東京ガスのテレビCMで深田恭子(36)と共演。深田と飯尾は、大勢のエキストラとともにチャーミングな踊りを披露している。

 

「深田さんも石原さんも、やっぱり第一線で活躍されている女優さんは“違うな”と思いました。いわば、お2人とも座長じゃないですか。誰よりも疲れているはずなんです。でも舞台裏では、気さくに話しかけてくださって。NGをしても『気にしないでくださいね』とおっしゃるんですよ。お2人とも『気配りの人だな』と感心しました」

 

91年にお笑いデビューし、00年に現在の相方・やす(49)とともに「ずん」を結成した飯尾。根っからのお笑い好きで「ドラマや映画で俳優として出演するなんて思ってもなかったです」と語る。

 

「でも子どものころ、クスッと笑える映画やドラマが好きだったんです。特に『男はつらいよ』は特別な作品。寅さんが旅して恋をして……という姿に憧れました。あと堺正章(72)さんのドラマ『西遊記』もすごく好き。各地に旅するレポート仕事が好きなのは、いま思えばそういったドラマの影響があるのかもしれません」

 

そんな飯尾だが、実は俳優への挑戦で得た経験が本業のお笑いに活かされているという。

 

「三谷幸喜さん(57)の舞台に出演したとき、三谷さんに『セリフのテンポが早いですよ』ってアドバイスをもらったんです。『それはテレビのテンポだ』って。今まで意識したことがなかったので、すごくビックリしました。以来、ネタを披露するときやレポートをするときは『落ち着いてゆっくり話そう』と心がけるようになりました。持ちギャグの“ぱっくりピスタチオ”も若干、ゆっくりはっきり喋るようにしてるんですよ(笑)。もちろん、いまだにテンパっちゃうと早口なんですけど」

 

12月22日で、50歳となる飯尾。この先も俳優の仕事が楽しみだという。

 

「望まれるなら、どんな役でもしてみたいです。自分は、西田敏行さん(71)が好きなんです。西田さんってコメディもできるし、シリアスな芝居もできるしほんと幅広い。西田さんの演技を間近で見られたら嬉しいですね。それに料理が好きなので、いつか『釣りバカ日誌』みたいな作品に料理人として出演してご一緒できたらいいなぁ」

 

11月28日には「アンナチュラル」と同じ野木亜希子氏(44)が脚本を務めるドラマ「獣になれない私たち」(日本テレビ系)に出演し、話題を呼んでいた飯尾。その俳優としての姿を19年も、もっともっと観てみたい。