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2018年7月に事実婚を発表し、2019年9月に長男が誕生した、はあちゅうとしみけん。活躍する業界もファン層も違う異色夫婦が、「これ、どうする?」「あれ、どう思ってる?」と赤裸々に語り合う本誌連載「家族会議 議事録」の第41回。

 

映画やドラマ、小説のネタバレ(=結末を明かすこと)について、あなたは賛成派ですか? 反対派ですか?

 

 

しみけん「はあちゅうって、映画とか小説のネタバレ平気だよね」

 

はあちゅう「うん。なんなら、あらすじを先にチェックしてから観るからね」

 

しみけん「……信じられない!」

 

はあちゅう「ハラハラする展開だと、安心して観られないんだよ。『24‐TWENTY FOUR‐』は途中まで観たところで、このあと何が起こるかを、あらすじで確かめた」

 

しみけん「それって、お化け屋敷に入る前に、全体図眺めて、どこでお化けが出てくるか確認するみたいなもんじゃない……」

 

はあちゅう「『24‐TWENTY FOUR‐』だと、誰かが拉致されて、助かるかどうかわからないままの状態で別のエピソードが始まっちゃうでしょ。あれがつらいの。『この子死なないよね、死なないよね?』って、ちょっとパニックになる」

 

しみけん「そのドキドキを楽しむんだよ」

 

はあちゅう「そのドキドキが耐えられないの! 過度に緊張するものが無理。ジェットコースターは大丈夫なんだけどね。いつ落ちるか、わかってるから」

 

しみけん「じゃあ、毎回次週に引っ張りがちな少年マンガは、絶対読めないな(笑)」

 

はあちゅう「無理だね。ずーっと引っ張り続ける海外ドラマも、10話が限度。それ以上は、先にあらすじを読まないと無理」

 

しみけん「結末を知ったうえで観ちゃうと、気持ちが冷めない?」

 

はあちゅう「私は確認作業でも十分満足できるし、結末まで知ったからといって、楽しみがなくなることもないかな。誰が死ぬのかわかっていたほうが、安心して、集中して観れる」

 

しみけん「全然、同意できないなあ(笑)。僕はネタバレなんてあり得ないし、あらすじサイトも目に入らないようにしてるのに!」

 

はあちゅう「私、集中力ないから、話が複雑なやつは、あらすじを読まないと、こんがらがっちゃう。韓国作品は登場人物の名前が覚えられない。Netflixの『梨泰院(イテウォン)クラス』とかも、主要人物の名前がごっちゃになった」

 

しみけん「最終話まで観なかったよね」

 

はあちゅう「長くて疲れちゃって。10話以降はあらすじを読んだ」

 

しみけん「Amazonプライム・ビデオで一緒に観た『JIN‐仁‐』も、あらすじ読んじゃってたよね」

 

はあちゅう「そうだね」

 

しみけん「そういえば、『JIN‐仁‐』で一度ケンカになったなあ」

 

はあちゅう「ドラマって、シーンによっては、けっこうもたもたするから、そういうときに10秒とか飛ばしてたんだよね、私」

 

しみけん「なのに、あたかも『自分は全部観ました』みたいに、そのドラマを語るのが僕はイヤで……」

 

はあちゅう「全部観たとは言ってないし、語ってもいないよ!」

 

しみけん「飛ばすわりに最終回だけは観るんだよね、はあちゅう……」

 

はあちゅう「私、最終回だけ観ても感動できるから」

 

しみけん「感動できるのかもしれないけど、感動の度合いがさ……。長く助走してジャンプしたのと、助走なしでジャンプしたのとでは、飛距離が違うでしょ。はあちゅうの感動は、まがいものでは……」

 

はあちゅう「でも、けんちゃんが『この回はそこまで刺さらなかった』って言ってた『JIN‐仁‐』のある回も、私はけっこう感動したよ」

 

しみけん「僕は、前に観た別の回で強い感動を味わってたから、その回は『薄い』と感じたんだ。はあちゅうは、いきなりその回だけを観たから、ただ感動したってだけでしょ。はあちゅう、『バチェラー・ジャパン』も最後だけ観てたよね」

 

はあちゅう「……あのねえ、『JIN‐仁‐』と『バチェラー・ジャパン』は、コンテンツそのものを楽しんでるんじゃないの。けんちゃんがハマってて楽しそうに語るから、『けんちゃんのしゃべる内容』を少しでも理解しようと思って、時間のないなかで、効率重視でチェックしてるだけ!」

 

しみけん「それだったら、まあ……」

 

はあちゅう「じゃあ私も言うけど、けんちゃんは映画観てる途中に、何回も何回も巻き戻すじゃん。セリフ書き留めたいとか、音楽をもう一度聴きたいとか、このシーンもう1回とか。私は通しで観たいんだけど。スタッフロールも何回も観てるよね」

 

しみけん「スタッフロールは、この作品にどういう人が携わってるかを、一度じゃ確認しきれないからだよ」

 

はあちゅう「普通のテレビ番組も、私がメインで観てるところに横から入ってきて、『あ、どこそこのスタジオだ』とか言って勝手に20秒くらい戻して、『ほらやっぱり』って解説が始まる」

 

しみけん「そうだけど……(汗)」

 

はあちゅう「コンテンツの楽しみ方が、全然違うよね。私は家事しながら音声だけで映画観てたりするけど。けんちゃんは、そういうこと絶対しない」

 

しみけん「しようと思わないよ。そんな見方じゃ内容について議論できないでしょ」

 

はあちゅう「いや、何かが起こった様子が聞こえたら、ちゃんと巻き戻して映像も観るようにしてるよ」

 

しみけん「いやいや、巻き戻すったって、音なしで伏線が張られてる映像もあるじゃない。気づけないでしょ」

 

はあちゅう「そうだよ。でも、そういうやり方じゃないと観られないの。家事育児、全部放って映画観れないでしょ」

 

しみけん「まぁ、それもそうだから……。やっぱり一緒に観ないのが正解」

 

はあちゅう「そもそも、けんちゃんが映画観てる時間に私、息子の寝かしつけしてるからね。映画だけに集中できる環境って、すごく贅沢だと思うよ」

 

しみけん「そう言われたら、そうだ。たしかに、映画観る時間がないなかで、なんとか観てるってことか……」

 

はあちゅう「映画もだけど、育児していると『集中できる時間』は贅沢品。これはもう、声を大にして言っておきたい」

 

【はあちゅう】
1986年、神奈川県生まれ 慶應大学在学中より、ブロガー活動を開始。2014年フリーに。近著に『わくわくする未来をつくるためのお守り言葉』『子供がずっと欲しかった』がある

 

【しみけん】
1979年、千葉県生まれ 1998年にデビューし、出演本数は約1万本の現役AV男優。最新刊に『AV男優しみけん仕事論0.01 極薄!』(扶桑社)がある

 

取材&構成・稲田豊史
(週刊FLASH 2020年7月7日号)

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