■高木さんは現在も健康そのもの。めざせ100歳のウクレレ弾き
「ママ、何か冷たいものお願いね」
「ねぇ、ママ。ルミネでの初ソロコンサートっていつだっけ?」
高木さんが今、ごく自然に「ママ」と呼びかけるのは、一人娘のかおるさんだ。02年に結婚したかおるさんは、結婚後も高木さんと同居している。
「娘はさっぱりした性格で、家事も分担して、友人のように『かおるさん』と呼んでいたけれど、いまやもう何年も孫中心の生活だから、娘のことも『ママ』だったり『おかあちゃん』だったり(笑)」
赤い写真帳に入れて持参した喜代子さんとのクイーン・エリザベス2世号での写真を見せ、
「カミさんは、ずっとこのときの印象のままなんですよ」
と、いとおしそうに写真をなでると、ページをめくって、お孫さんの写真も見せてくれた。
「最近は、こっちの写真も大好きかな」
かおるさんの息子・コタロウさんは、現在17歳。高校生ながらすでに写真家として新人賞を受賞し、個展も開いている。自著の画集に掲載された高木さんの近影も、コタロウさんの作品だ。
「どうもうちの孫はクリエーティブ志向みたいで。まぁ、うれしいし、期待もしてます」 高木さんは、すっかりおじいちゃんの顔になっていた。
「孫の存在は大きいよね。娘の子育てに関われなかったから、孫には関わりたい。やっぱりカミさんには抱っこさせたかったけど……。いまのいちばんの楽しみは、家族4人で食卓を囲むとき。それがいちばんの健康法じゃないですか。娘が料理教室にも通ってくれて、栄養だけじゃなく、量も工夫してくれてます」
70代で2回、膝関節の手術を受けたが、今では健康そのもの。ピーク時80kgあった体重も、現在は60kg台後半に落ち着いている。
「2カ月に1度、かかりつけ医で血液検査をしますが、どこも悪くないんですよ。医者からは、88歳の模範データと言われています」
11月18日には、ももクロら若い仲間と武道館のステージに立つ。
「ビートルズの前座のときから55年ぶりになります。55年ぶりの『ロング・トール・サリー(のっぽのサリー)』は、もっとちゃんと演奏しますよ(笑)」 88歳でこの活躍は、驚異的だ。しかし、高木さんはあくまで謙虚。
「僕の人生訓は『人生は運と実力とチャンス』。自分の本でも書いたけど、ドリフのあの5人だからこその第5の男だった。強烈な個性に囲まれての第5の男。どこにでもいる人ですよ。ドリフに寄っかかって流されるように生きてきた。だから、ここまで現役でこられた。僕はドリフで、高木ブーで、第5の男で本当によかったと思うよ」