杉本彩「弱い立場の命軽んじる社会に幸せない」語った動物福祉活動始めた“原点”
画像を見る 殺傷罪での立件申し入れのために地検本部を訪れた杉本彩

 

■今年1月、猫を虐待する動画を挙げたYouTuberの刑事告発が警察に受理された

 

「別れは本当につらかったのですが、同じように救いが必要な動物に出合ったら助けたいと思い、里親さんにお願いしたんです。大切なのは保護したその子の幸せであり、自分の寂しさや悲しさを優先するのはなにか違うと気づいたころですね」

 

その後、保護しても保護しても終わりが見えないことを痛感。さらに保護活動を通じて「目に見える範囲のそのまた向こう側に、苦しんでいる動物たちがいることが容易に想像できるようになりました」と語る。

 

「そもそも不幸な動物を生み出したくないですし、そのためには生体展示販売を行うペットビジネスのあり方や、法律の問題についての啓発が非常に大切だと気づいたんです。けれど、個人での活動には限界がある。そこで、社会に山積している動物をとりまく問題を、根本から解決していくための組織としてEvaを立ち上げました」

 

設立の翌年には公益財団法人として認められ、動物福祉を目指し数々の問題に取り組んできた。今回の松本市動物虐待事件への追訴請求も、その1つだ。

 

同じく今年1月には、再生回数を稼ぐ目的で、猫を虐待する動画を挙げたYouTuberの刑事告発が警察に受理された。動物虐待に対し厳罰を求める姿勢は、決してブレることはない。今後も、救うべき動物が適切に保護される法改正と仕組みづくりについては、最優先で取り組んでいくという。

 

「しかし、法改正が実現するなど、一歩前進すると、副作用のようにまた新たな問題が生まれるんです。安易な殺処分を防ぐべく、自治体が業者から動物の引き取りを拒否するようになると、『引き取り屋』といわれる悪質な業者が誕生してしまったのが典型例。まるでもぐらたたきですが、一番の弱者である動物が安心して暮らせる社会を目指して、今後も活動をしていきます」

 

声を上げられない動物たちに山積する問題に立ち向かうべく、杉本の闘いは続くーー。

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