シンガーソングライター藤井風“聖地”里庄町取材で分かった飾らない人柄
画像を見る 「洋楽世代の私には風さんはビリー・ジョエルの再来といったまぶしい存在。飾らない人柄も魅力です」と加藤町長(写真:田山達之)

 

■昨年の『紅白』では里庄町からの生中継と思わせる演出に、近所の人が実家に駆け付けた

 

昨年末の『紅白』の際には、もしや里庄町からの生中継かと思わせる場面もあり、町はにわかに盛り上がったという。

 

「多くの近所の人が、家を飛び出して彼の実家へ駆けつけたそうです。実は東京の会場にいたという巧みな演出でしたが、あの大舞台で“里庄町”の名前が出たことは町民の誇りとなりました」

 

小さな町の名前と、緑色のモコモコのスリッパ姿を強烈に印象づけて終わった『紅白』だったが、これを機に里庄町への訪問者が急増するきっかけともなった。

 

サインにも「愛してる」と書き添える、大好きな故郷の町が注目されることを、藤井自身も喜んでいるに違いない。

 

そんな「愛」と、シングルのタイトルともなった「優しさ」に貫かれた藤井風の音楽に、日本だけでなく世界中の人が癒されている。

 

「僕がみんなの前で歌うことが、何かの役に立つなら」

 

彼が、かつて町の音楽仲間に語った言葉だ。

 

その原点を探しに、ゆかりある場所と人を訪ね歩いてみた。

 

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