■デミ・ムーアが僕に教えてくれたこと
GACKTがエネルギーを放出するライブは’12年公開のハリウッドデビュー映画『BUNRAKU』で共演したデミ・ムーア(60)の影響を大きく受けたという。
「侍の役でしたが、泣きそうなぐらいキツかった。ルーマニアで2カ月間のロケでしたが、一緒に来てるスタッフが次々に音を上げ日本に帰りました。『おいおい、ボクを置いて帰るのか?』って(笑)。
月曜から土曜までずっと撮影で朝5時起き、夜中の3時に寝る。日曜は朝10時起きで、それからトレーニングを3時間やって、アクションの練習が夕方6時まで続きました。ボクにとって唯一、日曜の夜だけが寝られる日だったんです。
1カ月たって結構ボクの中で「もう無理かもな」と思ってたとき、デミ・ムーアが撮影に参加して初めての土曜日に『GACKTは今日撮影スタッフと一緒にクラブ行くの?』って誘われたんです。
『行かないね』と答えたら『おいでよ! なんで来ないの、ダメだよ!』と言われて断り切れなくて。眠いし、しんどいし、と思っていたんですが、クラブで皆で音楽ガンガンの中で飲んで大きい声を出して朝6時まで叫んで踊って盛り上がって。部屋帰ったらヘロヘロ。
でもパッと目覚めて、めちゃくちゃスッキリしている自分がいて。そのとき「体じゃなくて心が疲れてたんだ」と気づいたんです。ああやって大きい声出すことがいかに大切なのかってことに。
それから毎週土曜日にクラブでの集まりに参加するようになったんです。これって真面目な日本人の大多数ができていない発散法だなと思いました。
だからボクのライブは、ボクも叫ぶし、みんなにも叫ばせる。ボクが一人でウワーッと叫んだことに対してみんなが叫ぶ。だからボクのライブの後はみんな相当疲れていると思います。デミ・ムーアに教えてもらったんです。心のリセットが本当に大事だってことを」