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今年3月28日にこの世を去った坂本龍一さん(享年71歳)。YMOの音楽活動のほか、俳優として出演した映画『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞を受賞するなど世界で活躍した。坂本さんとは’80年代に発表したアルバムでコラボレーションするなど、音楽を通して親交があり、近年は非戦、非原発をともに願った仲でもある加藤登紀子(79)が、坂本さんへの想いを語った。

 

■「彼の思いを胸に、歌い続けたい。」

 

心に響く伝説になったーー。

 

亡くなってもう9ヶ月も経ったけれど、龍一さんの存在は私たちの心の中に響き続けている。

 

ジョンが亡くなった時、「イマジン」が世界中の人を一つに結ぶ力を持ったように、坂本龍一の音楽が今、私たちを世界の人と繫いでくれている!それは不思議な安堵感であり、未来を見つめる光のように私たちを勇気づける!

 

1970年代、大胆なテクノミュージックで世界の若者に新風を巻き起こし、最後には、ピアノのソロ演奏で、今、ここにいる瞬間のすべてが音楽だと、静かに語りかけて逝った。

 

音楽だけではなくて、彼は言葉と行動でも「坂本龍一的世界」を表現した。

 

非戦へのメッセージ、反原発の行動、そして神宮の森を守って下さい、という祈りは、実存の底から溢れる彼の音楽と共に、美しき生きる意味を伝えてくれている。

 

彼と一緒に音楽を生み出せた幸せな一人として、彼の思いを胸に、歌い続けたい。

 

加藤登紀子

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