(撮影:KAZUYUKI EBISAWA/makiura office) 画像を見る

髭をたくわえ下駄を履き、男らしさにこだわる暑苦しい人物、それが戸塚純貴さん(32)演じる轟太一だ。よね(土居志央梨)とともに今では重要な登場人物となっている。

 

「轟にとって男らしくあるための鎧が下駄。下駄の破壊力すごいです! あれを履くと本当に轟になる」

 

放送を重ね、実は誰よりも柔軟性がある人物であることが描かれるようになると、SNSのハッシュタグ「#俺たちの轟」が立ち上がるほど好感度は右肩上がり!「うれしいです。皆さんからの期待も感じるので身が引き締まる思いです」と本人は謙虚に受け止めている。

 

そして迎えた第51回。よねに「ほれてたんだろ、花岡に」と言われ「俺にもよくわからない」と轟のセクシュアリティについてふれるシーンがあった。聞いてみると、オファーの段階で監督やプロデューサーから轟像をこう説明されていたという。

 

「ゴールは明確ではなかったけど、変化のあるキャラクターであることは事前にお話ししていただきました。そのときのイメージとして、漫画『魁!!男塾』をあげられて」

 

そしてもう1人、モチーフとして紹介されたのが三島由紀夫だったそう。

 

「内面は三島由紀夫さんと言われて、あーって、なんか納得しましたね。『魁!!男塾』に関しては、コミカルで劇画っぽい見た目の男らしさ。三島由紀夫さんは轟のセクシュアリティの部分や、人に対しての熱量だったりと、僕の中ではすごく腑に落ちました」

 

参考資料として読んだのが『仮面の告白』。

 

「すごく難しかったです。そして読めば読むほど暗い気持ちになってしまって、轟の明るさとかがなくなりそうになって。そういうときには、『魁!!男塾』を読みました」

 

と、轟のあの明るさで語ってくれた。第51回以降、轟のセクシュアリティについては描かれていない。

 

「トラちゃん(寅子:伊藤沙莉)が今は新潟にいますが、のちに東京へ戻ってきます。そこからまた新たな物語が始まっていくと思います。ちょっと年を取った轟がトラちゃんと会ってない期間に何があったのかも楽しめる部分だと思います」

 

特に20週(12日~)、21週(19日~)の轟の描かれ方に戸塚さんは感動したそう。

 

「あえて描ききる。その心意気に僕はちょっと心打たれました」

 

#俺たちの轟の再登場まであと少し。

 

(スタイリスト:鬼塚美代子〈アンジュ〉/ ヘアメーク:中島康平〈UNVICIOUS〉)

 

NHK連続テレビ小説『虎に翼』

毎週月~土曜朝8時から総合ほか。女性で日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ三淵嘉子さんをモデルに、主人公・寅子の人生を描く。

 

【PROFILE】

戸塚純貴(とづか・じゅんき)

’92年7月22日生まれ。岩手県出身。ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス2011』(フジテレビ系)で俳優デビュー。おもな出演作に『だが、情熱はある』(日本テレビ系)などがある。

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