軟骨無形成症のダンサーDAIKI。身長は128cm(撮影:加治屋誠) 画像を見る

「須麻流のことはすごく好きですね。ずっと共にいると思っていたので、最期まで一緒でよかったです」(NHK大河ドラマ『光る君へ』公式サイト)。『光る君へ』で安倍晴明を演じたユースケ・サンタマリア(53)は相棒をそう評した。その須麻流を演じていたのがダンサーで俳優のDAIKI(30、本名・西村大樹)だ。

 

身長128cm。俳優初挑戦だったが、ミステリアスな佇まいは“安倍晴明にしか見えていない式神”説が出るほど際立っていた。

 

NHK制作統括の内田ゆきさんが語る。

 

「明るく積極的な雰囲気が須麻流役に望ましいものでユースケ・サンタマリアさんとのコンビもしっくりくると予想できました。ダンスのキャリアから自分を表現したいという思いが強く、さらにスキルもお持ちであることを実感しました」

 

DAIKI自身もこう振り返る。

 

「須麻流は、歴史の本にも載っていないオリジナルのキャラクターで、安倍晴明の従者でありながら友人という役柄。監督からも『DAIKIさんなりの須麻流を見つけてください』と言われ、探り探りしながら。でも撮影現場が温かい空気に包まれていて、ユースケさんともたわいもない話をしながら肩の力を抜いて演じることができました」

 

国民的なドラマに出演したことで街を歩いていても大きな変化があったという。

 

「この見た目で目立つからというのもあるけど声をかけられることは圧倒的に増えました。うれしかったのは公園にいる子どもたちに『須麻流だ』と言われたとき。大河ドラマは大人が見るイメージがあったのでビックリ。子どもは見た目で覚えることが多いから、印象に残っていたんでしょうね」

 

DAIKIと同じ病気の息子を持ち、骨系統疾患患者支援団体Glory To Achondroplasiaの代表理事を務める糸岡栄博さんが語る。

 

「視線が怖くて外に出るのがはばかられることもある当事者やその家族にとって、彼が大河ドラマに出て活躍する姿は“希望の提示”。DAIKIは私たちを知らない世界に誘ってくれる存在です」

 

須麻流という名は、六連星ともいわれる星団「昴」からきている。大河ドラマに出演したDAIKIは、夜空に輝く昴のように、多くの人たちの希望の星となった。

 

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