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「“魅力的な詐欺師であり殺人鬼”という、頭と肉体を駆使して人を翻弄していく大変な役でした。でも、今だからこそ『これまでとは違うお芝居ができるかもしれない』という、自分への期待のような思いをもって挑みました」

 

こう話すのは、ABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』(3月27日より放送開始)にて8年ぶりの俳優復帰を遂げる成宮寛貴(42)。同作は、強靭な殺意が渦巻くピカレスク(悪漢)物語であり、失われた愛と死が交錯するラブサスペンスとしても人気を得た作品。その原作者である天樹征丸(樹林伸・ゆう子姉弟による名義)とともに、撮影裏話を語ってもらった。

 

樹林伸(以下・伸):気づけばナリとは長い付き合いになるね。最初に私たちの作品で演じてもらったのはいつだったかな?

 

成宮:『金田一少年の事件簿』(01年、日本テレビ系)でのドラマデビューもそうですし、『ブラッディ・マンデイ』(08年、TBS系)でいただいた、とても魅力的なヒール役も自分のターニングポイントとなった作品でした。

 

伸:当時、あるワイン会でナリと話したときに「絶対にいい!」と思ったんだよ。目が奥の方まであるというか、何を考えているかわからない感じがよかった。作者からするとイメージが合っていることが重要で、今回も最初から「ドラマにするならナリだよね」って。

 

樹林ゆう子(以下・ゆう子):実は漫画を送り付けてたんだよね。

 

成宮:3年ほど前ですよね。

 

伸:そう。ナリから「日本に帰ってきました」って連絡もらってさ。

 

成宮:その前までは、お二人もそうですし、業界の方には一切連絡をとっていなくて。「辞める」と決めていたので、ぜんぶ切り離して自分から距離をとっていたんです。

 

伸:でも連絡をくれて。

 

成宮:大切な人には、ちょっと連絡してみようって思って。

 

ゆう子:それで一緒に飲んだんだよね、すごくいいワインを(笑)。

 

伸:やばいやつ。味はどうだった?

 

成宮:ホントに美味しかった!! それで「ワインは時間をかけて、ふわっと花開く」という話を教えてもらって。

 

伸:ナリは8年ぶりの俳優復帰か。

 

ゆう子:8年って熟成だね。ワインは人間と同じで、時間がたつほど複雑さを増すからさ。

 

成宮:食事しながら、今回の作品をやらないか、という話になったんですけど、当時はまだ何も決まってなかったから、「うれしいんですけど……」という感じで。

 

ゆう子:でもしつこく送り付けて。

 

成宮:読んでみたら、これがまたすごい作品だった(笑)。

 

伸:前半は読者をミスディレクションして、いい旦那さんだけど「ちょっとウソついているのかな」とか、なんとなく「不倫の話?」とも見せていきつつ、途中から「それどころじゃないだろう!」って。

 

成宮:とんでもない殺人鬼で! ドラマは、物理的にセリフもかなり多くて大変でした。

 

ゆう子:よくしゃべるからね。

 

成宮:しかも言っていること全部嘘なのかよ! みたいな(笑)。とにかくいろんな顔がある役なので、表情や目を大事にしたくて。「長く目をあけていられるコンタクトがあった」と撮影中に思い出して、買いに行ったりしました。

 

伸:ブランクは感じた?

 

成宮:そうならないようにしたかったけど、現場で「あ、こういうときって、こうすればよかったんだな」とか、少しずつ思い出していく感覚がありました。身体も「もうひと絞りしないとダメだな」と思って、撮影合間にジムにも通って。

 

ゆう子:アクセル踏みっぱなしだ。

 

成宮:セリフ量も多いから「明後日にはとんでもないシーンが始まっちゃう」と思いながら、アクションでズタボロになっていたり(笑)。

 

ゆう子:大変だったんだ。

 

成宮:すごく! でも大変じゃないと面白くないですから。

 

ゆう子:ワインも複雑なほうが面白いしね。ナリが演じる“美しい悪魔”を見られるのが楽しみ。

 

伸:きっと想像を超えてくるんだろうね。これは期待するよ。

 

成宮:いま思うと、「俳優には戻らない」という意識が強かったときに、樹林さんたちに声をかけてもらって、グッときたものがあったんでしょうね。またご縁をいただき、この作品で戻れて幸せです。

 

【INFORMATION】

 

自ら原作者にコンタクトして実現!成宮寛貴“8年ぶり復帰”のきっかけとなった「業界との連絡断絶中」のワイン会
画像を見る 『死ぬほど愛して』1~5巻(刊:光文社)

 

『死ぬほど愛して』1~5巻<完結>

原作:天樹征丸
作画:草壁エリザ
発売元:光文社
定価:880円(本体800円+税)
公式X:@sinu_ai
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神城澪、37歳。命の恩人である真人と再婚してもうすぐ1年、順風満帆な日々を過ごしていた。そんな折、近所で起きた「女性記者殺人事件」を境にして、澪の周囲に微妙な変化が。夫にまつわる不安な出来事の数々、気にかかる同僚の存在、事件直後から目の前に現れた怪しい男……。知らず知らずのうちに、澪は運命の濁流に引き寄せられていく――。

 

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出典元:

WEB女性自身

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