■20歳前後の“同級生”と学食でご飯を食べた日々
講義はオンライン中心だったが、2~3カ月に一度はキャンパスに足を運んだ。同級生と一緒に講義を受け、学食でご飯を食べる時間も楽しみのひとつだったそう。
「大学の学食がとても安くておいしくて、そのうえ体のことを考えたメニューがそろっているんですよ。それが楽しみでキャンパスに通っていたくらい(笑)。20歳前後の子たちと一緒に過ごす時間も新鮮で、将来の夢やクラブ活動の話を聞いていました」
吹奏楽で金賞を目指して猛練習している子や、テニスで実業団入りを目指して東京に行く予定の子、みんな真剣で、輝いていた。
「精神年齢が私より上なんじゃないかって思うくらい大人びた子もいて。いろんな子と友達になれて、『いい化粧水を教えて』って聞かれて、『いやいや、その若い肌なら私のおすすめはいらないよ』なんてやりとりをしたり(笑)。年齢は離れていても、同級生として話せる関係が、自分の人生の財産になったなって思いますね」
いっぽうで、思わず“母親目線”になる場面も。
「講義中に、いまする話じゃないよねっていう発言をする学生がいたりして、『ちゃんとまわりの状況を読もうよ』って思うこともあったんですけど(笑)。でも、そういうやりとりも含めて、学生たちの若さや勢い、可能性に触れるたびに、『まだまだ頑張ろう』ってやる気をもらえました。大学生活ってこういうものだったんだなって、青春をやり直しているような気持ちになりました」
講義での学びも、仕事に大いに役立つ内容だった。
「漠然と夢見ていた起業も、仕組みを基礎から学ぶことで、起業や経営が自分とは遠い世界のものではないと気づいたんです。マーケティング論の授業が特に楽しくて。
たとえば、お店を経営していて投資資金をつぎこみすぎると、元を取ろうとしてさらに投資を続けてしまうことってありますよね。そういう状況にも『コンコルド効果』という名前があって、『引き際が大事だ』と学びました。感覚で理解していたことを体系立てて学べたことで、経営が自分にとってぐっと身近な存在になりました。これまでよくわからないまま税理士さんに任せきりにしていたお金のやりとりも、言葉の一つひとつが少しずつ理解できるようになって。知ることで社会とつながっていく感覚がありました」
