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バタクランホール近くの献花場を訪れたボノ
(C)Irish Times

先週末、イスラム過激派ISISによってパリに加えられた同時多発テロ攻撃。わずか30分の間に競技場やレストラン、カフェ、劇場など7カ所が立て続けに襲われ、多数の死者と負傷者が出た。

攻撃対象とされた建物の一つは「バタクラン」というコンサートホールだった。当時、米国出身のバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」の公演が行われていたが、武装した4人の男が会場へと侵入し、アサルトライフルを乱射。バンドメンバーは全員が無事であったが、観客やスタッフなど82人が犠牲となった。

オランド仏大統領が発した非常事態宣言を受け、パリで予定されていた多くの音楽イベントは次々と中止されている。U2のパリ公演をキャンセルしたボノがテロの翌日に出演したラジオ番組において、バタクラン襲撃を「これは音楽に加えられた初めての直接的な攻撃だ」と憤りを露わにした。

「あまりにもひどい。そこにいたのは我々の仲間なんだ。あの場にいたのは俺だったかもしれない。君にも、俺にも、 容易に想像できる状況だ。あの血も涙もない虐殺には心がひどくかき乱される。頭から離れないんだ」

U2に続き、コールドプレイとフー・ファイターズ、デフトーンズも予定していたライヴを取りやめた。安全のためには他に選択肢はない。

フー・ファイターズはFacebookページで「残りのツアーをキャンセルしなければならなかったのは、深い悲しみとパリの全ての人々に対する心からの心配があるからこそだ。この無意味な暴力、国境閉鎖、国際的な服喪を考慮し、今は止めざるを得ない。そうとしか言えない。こんなのは狂ってるし、最悪だ。我々の思いと祈りは、傷ついた人、そして愛する誰かを失った人たちと共にある」と、卑劣な暴力への怒りを滲ませながら、苦渋の決断をしたことを綴った。

ボノは「音楽は、とても重要なものだと思う」と続ける。「U2には担うべき役割がある。パリに戻り、演奏する日が待ちきれないよ」と、ファンに必ず帰ってくることを約束した。

コンサート会場へのテロリズムで、今後は音楽イベントの開催方法やあり方そのものが見直されるだろう。だからと言って、音楽が廃れることは決してない。こんな時だからこそ、音楽の力が必要とされるのだ。銃や爆弾の、一方的で無慈悲な暴力の行使ではなく、旋律と歌声が生み出す底知れない音楽の力がパリの復興を後押ししてくれることを願ってやまない。