1人の小児放射線技師がTwitterに投稿した動画が話題となっている。
「ベンは脳腫瘍の放射線治療を乗り切った。彼は治療前は歩くことも話すこともできなかったが、1週間前、ワールドカップをおねだりした。だから、僕らは彼にプレゼントしたんだ」
5歳のベン・ウィリアムズは脳腫瘍を患い、英バーミンガムのクイーン エリザベス・ホスピタルに入院している。彼は先日、6週間にもわたる放射線治療を終えた。以前は喋ることもできなかったが、辛い治療に耐え抜いたおかげで声を取り戻すことができた。そして「ぼくだけのワールドカップがほしい」……彼はそんな望みを口にした。
7月5日、病院のスタッフはベンの勇気を称えるセレモニーを開いた。病室から案内された先では、イングランドの旗を体に巻いた看護師と、大きな包みが彼を待っていた。箱から出てきたのは、ワールドカップのトロフィーだった。ベンは心から嬉しそうにトロフィーを抱きかかえ、彼を支える人々の温かい拍手に応えた。
小児放射線技師のリアム・ハーバートはこの様子を動画に収め、Twitterに投稿。そのツイートにはイングランド代表チームと、ハリー・ケイン選手のアカウントに向けた「あなたたちにも同じことが出来るかい?」というメッセージも含まれていた。
ケインはこれに即座に反応。
「やあ、ベン。きみの動画を見て勇気づけられたよ。頑張って戦ってくれ。そして僕らも、きみに笑顔でいてもらうために、土曜日はできる限りのことをするよ」
その言葉どおり、イングランド代表は7日の準々決勝でスウェーデンを下し、28年ぶりのベスト4進出を決めた。
ベンの父親はIndependent紙の取材で、「息子は病気になる前からサッカーが大好きでした。声を取り戻してすぐ、『イングランド』『ハリー・ケイン』と口にしていたんですよ」と話した。
クロアチアとの準決勝は、日本時間12日3時にキックオフを迎える。