マーコールの一種(写真:Ardea/アフロ) 画像を見る

欧米では野生動物を、まるでスポーツのように撃ち殺すことを楽しむ「トロフィーハンター」と呼ばれる人々がいる。立派なライオンやキリンを殺し、その首をトロフィーのように掲げ記念写真を撮るハンターたちは、動物保護団体のみならず、世界中から非難を集めている。

 

ワシントン・ポストによると、米国人ハンター、ブライアン・キンゼル・ハーランが“野生ヤギの王様”と呼ばれる希少なアストール・マーコールと写った写真がパキスタンの新聞に掲載された。生きているように見えるマーコールは、ハーランの手により既に命を落としている。彼が“獲物”をペチペチ叩きながら「仕留めるのは簡単だったよ。こんな戦利品をゲットできて嬉しいね」と満面の笑みで語っている動画がTwitterなどで拡がり、物議を醸している。

 

パキスタン政府は、2011年に地元民によるヤギの狩猟を禁じた。しかし、観光客は“コミュニティ保護地域”内に限って1シーズンあたり12頭のオスのヤギを狩ることが許可されている。この一見不可解な取り決めには、観光客がガイド料などを含めた「狩猟料金」として払う金を貧しい住民に分配し、密猟を防ぐ目的があるのだという。

 

ハーランは、今回ヒマラヤ北部のギルギット・バルティスタンでマーコールを狩るために、史上最高の11万ドル(約1,200万円)を支払った。

 

密猟ではなく正規のルートで狩りをし、地元に大金を落としたハーランに法的な落ち度はないが、罪のない動物を遊びで殺すという行動そのものに嫌悪感を抱く人は非常に多い。Twitterでは「ひどすぎて言葉を失った」「いくら払えばブライアンを狩れるんだ?」「撃ち返せない動物を殺すなんて!恥を知れ!」といったコメントが相次いでいる。

 

2015年には、ジンバブエで人気のライオンを撃ち殺した米国人歯科医が自宅や別荘を特定され、凄まじい嫌がらせを受けていた。

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