’98年から6シーズンに渡り放映された人気ドラマ『ドーソンズ・クリーク』。トム・クルーズの元妻ケイティ・ホームズがヒロインを務め、ティーンエイジャーの青春を描いた本作で脚本を担当していたハイディ・フェラーさんが、先月末に自殺していたことがわかった。享年50歳だった。
Varietyの報道によれば、フェラーさんは昨年4月に新型コロナウイルス感染症を患い、2カ月後には寝たきりに。ひどい疲労感と重度の神経性の震えに絶えず悩まされていたという。
昨年9月、フェラーさんはブログにこう綴っていた。
「怪物は実在し、私のもとへやってきました。Covid-19からの回復は、私がこれまでの経験で最も困難なことの一つであり、様々な体験をしてきました。(中略)私がこれから詳しく話すのは、次に苦しむであろう人を助けるため。金色に輝く希望の糸を、彼らに垂らすためです」
彼女のブログによれば、彼女は感染する前、まだ米国内では一般的ではなかったマスクを着用し、買ってきた食料品を拭くなど感染予防に努めていたという。
「でも、それは私のもとへやってきた。それが私の中で動き回り、新しい拷問の方法を見つけようと、耐えがたいほどに這いずり回るのです」
昨年6月、ウイルスは体から去ったが、突然体が不自由になり寝たきりになってしまった。足と足首の痛みが最もひどく、「その痛みは10段階で9になることもありました。ある夜、脚の静脈が複数箇所、破裂しました。人によっては、手足を切断しなければならないような小さな血栓ができていたと思います」と、その苦しみをブログで明かしている。
フェラーさんは、「Covid-19にかかった」ということをソーシャルメディアで“カミングアウト”するには時間がかかったという。「それは汚名のように感じられたし、自分に何が起こっているのか、自分でもわからなかったからです」。
さらに、「気持ちが暗くなったとき、夫に『もしよくならないなら、こんな風には生きていたくない』と言ってしまいました。自殺願望はありませんでしたが、あまりにも長い期間生活の質を保つことができず、終わりが見えてこないのです」と、苦悩した当時を振り返っていた。
TMZによると、彼女の症状は今年に入ってさらに悪化。一時期は立って生活もできていたが、5月には再び寝たきりになっていたという。
そして今月になり、夫ニックさんが彼女のブログを更新した。
「耐えがたい身体の痛みと、それによる不眠で、ハイディはこれ以上悪化する前に自分の意志でこの世を去ることを決断しました」
彼女のどのように生きたのか、その軌跡を示すためブログはこのまま残しておくそうだ。
厚生労働省は悩みを抱えている人に、相談窓口の利用を呼び掛けている。相談は「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」や「いのちの電話(0570-783-556)」へ。