「公演前、楽屋でお会いすると、目が真っ赤でした。その理由を聞くと、『昨夜、ブロマイドにサインしていたら、朝になってしまったんです』と話されていました。ヨンジュンさんは、ファンミ前夜、参加者全員のために、徹夜で1千枚のサインを書いていたんです」
と語るのは、200公演以上のファンミでMCを務めている、K-POPナビゲーターの古家正亨さん。
このイベントは、’03年にソウルで開催された“韓流俳優初”と言われるファン集会。
「ファンミという概念を最初に作ったイベントで、ファンの間では“伝説”となっています。私が最初にMCを担当したのも、このファンミでした」(古家さん)
以後、ほかのSTARも続々と日韓でファン集会を開催。ファンとSTARの貴重な“出会い”の機会となった。
今回の『韓ナビ!』では、知られざるファン集会秘話&舞台裏を古家さん、李由美さん、キム・テイさんの名司会者3人が告白!
「知人のファンに直接聞いたり、ファンのブログをのぞいたりして、観客席の皆さんが今、何をいちばん、聞きたいのか調べています」
と語るのは、ヨン様(36)のイベントでもお馴染みのキム・テイさん。
出演者の活動状況や報道のチェック、作品の鑑賞はMCにとって基本中の基本。2〜3時間のイベントのために、何日もかけてリサーチする。
「ドラマ『太王四神記』のとき、ファンの皆さんは、ヨンジュンさんの長髪に注目していました。だから質問コーナーで、ヨンジュンさんにそのことを聞いたんです」(キムさん)
ヨン様は、「女性がどんなに大変だったかわかりました。長髪はシャンプーするのが大変ですね」と返答。会場はどっと沸いた。
そんな面白いコメントを引き出せたのも、リサーチの賜。
「台本には、役柄に関することなど基本的な質問は書いてある程度。MCのトークは、ほとんどアドリブ」と、MC3人は同じ答え。台本はあってないようなものらしい。
「極端な例で言うと、A4用紙だけ渡されたこともあります。中身はただの進行表でした(苦笑)」(古家さん)
MCの責任は重大だが、公演前の主役とMCの打ち合わせは、顔合わせ程度だという。
「そのわずかな間でも、韓国語でコミュニケーションをとって、いかに信頼関係を築くのかがポイントだと思います。リラックスしていただいて、素顔を引き出したいんです」
と語るのは、韓流MC歴100回以上の李由美さん。彼女は、韓流番組『韓流フォンデュ』(TOKYO MXで毎週火曜午後11時、KBS京都で毎週日曜午後11時30分)や『KOREA ENTER24』(KNTV)などで活躍中だ。
「ユン・ウネさん(24)のときは、おにぎりを作るコーナーがあって、私は小姑役に徹しました。『ちょっと〜、マヨネーズかけすぎなんじゃないの〜?』とかチクチク言うわけですよ(笑)」
ウネは、頰を膨らませた。ウネと李さんとの息が合った証拠だろう。
主役の性格に合わせて、雰囲気作りをするのはキムさん。
「たとえば言葉遣いにしても、落ち着いた感じのヨンジュンさんのときは、私もテンポや声のトーンを落ち着いた雰囲気にしています」
MCも頑張っているけど、もちろん、STAR本人も盛り上げようと一生懸命!
「俳優の方は、意外と関西ノリの方が多いんですよ。本番でも、その場のノリ重視。瞬発力でファンを笑わせてくれます」(李さん)
特に、テンションが高いのが、キム・スンウ(40)とアン・ジェウク(37)。
「ファンからの『オッパ(お兄さん!)』という声援に対し、『もう、オッパといえる年齢じゃないですよ』と、自ら切り返したり(笑)」(キムさん)
キム・レウォン(28)は、空気を読んで、自ら進行をチェンジ!
「当初はレウォンさんが出演作の衣装を何度も何度も着替えて披露する予定でした。ただ、途中からお客様も少し飽きた様子になってしまって。そうしたらレウォンさんが場の雰囲気を読んで『ファンミ(ファンとのトークコーナー)やりましょうよ!』と声をかけて。ファンの方々は感激されていました」(古家さん)
若手は公演前からノリノリ。FTアイランドは、放課後の学校の教室状態だったとか。
「超新星のジヒョクさんは『トゥース!』と『オードリー』春日さんのモノマネをして、楽しませてくれました(笑)」
と李さん。イ・ミンギ(24)の“生着替え”(!?)も目撃してしまった。
「カーテン越しで彼が着替えていて。私が入っていっても全然平気なんです。モデル出身なので、人前で着替えることにも慣れてらっしゃるんでしょうね」
オ・ジホ(33)は、STARのなかでは数少ない、細かい打ち合わせをする派だ。
「リハのとき、『一時退場はこのときでいいんですか?』と熱心に確認する姿が印象的でした」(李さん)
なんと、ほとんどの主役は、入退場のタイミングもアドリブ(?)なんだそう。
パク・シニャン(40)は、ビッグなプレゼントを韓国から空輸していた。
「ステージに置いてあった椅子やソファが実は本人デザインの家具でした。最後にそれらを抽選でプレゼントされたんです。ご自身のアイデアだったそうです」(キムさん)
イベントが終わっても、サービス心旺盛なのが、チャ・テヒョン(33)。
「『写真撮ろうよ』と、自分のデジカメをスタッフに渡して、記念撮影していただきました。
イ・テゴンさん(31)は体育会系ノリで『みんなでキャンプに行きましょう〜』と誘ってくださいました」(李さん)
ファンとSTARの懸け橋となるため、MCはファン集会の裏側で闘っていたのだ。