「桂銀淑さんが来日して再び歌を歌うというニュースを聞いて、僕は驚きました。どう入国するのかなと、それが正直な思いでした」
本誌にそう語るのは、桂銀淑(63)を古くから知る韓国の芸能プロデューサーA氏だ。
桂銀淑といえば、’79年に韓国で歌手活動を始め、’85年に『大阪暮色』で日本デビュー。’88年から『NHK紅白歌合戦』に7年連続で出場した実績を誇る。
「日韓で幅広く活動していた’07年、覚醒剤を所持していたとして日本国内で逮捕、起訴され、懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決を受けました。’08年に韓国に帰国も、’15年には韓国で麻薬と詐欺疑惑で逮捕され、懲役1年2カ月を言い渡されて服役していました。近年は韓国で活動を再開し、韓国でのファンミーティングには日本から多くのファンが駆けつけたといいます」(スポーツ紙記者)
先月9日、そんな彼女が4月26日から計2日間にわたって都内のホテルで「桂銀淑 DINNER SHOW IN JAPAN 2025」を開催し、18年ぶりに日本のステージに立つことが各メディアで報じられた。日韓国交正常化60周年となる節目の年に、日本での活動を再開させるというのだ。前出のA氏が続ける。
「僕は日韓でエンタメの仕事をしています。桂さんとは30年ほど前に仕事を通じて初めてお会いしました。彼女が覚醒剤所持で捕まったときは、知り合いを通じて弁護士を探したこともあります。’19年には友人から、彼女が日本での活動再開を望んでいて協力してもらえないか相談を受けました。
ただ、日本で芸能活動をするためには興行ビザが不可欠です。その許可をもらうのは簡単ではありません。久々にソウルで彼女と再会した際、日本で活動するため、面会していると思しき政界の方の名刺なども見ましたが、残念ながら興行ビザの許可はおりませんでした。その後も別の方が再度、申請を試みたのですが、結果的に実現しなかったと聞いています」
なぜ彼女には興行ビザがおりないのか。レイ法律事務所の舟橋和宏弁護士に聞いた。
「海外アーティストを日本に呼んでショーなどを行う場合は、入国の際に興行ビザが必要になります。しかし、桂銀淑さんは過去に覚醒剤などで実刑判決を受けて、懲役1年2カ月で服役していますので入国管理法で原則、日本には入国できません。ですからビザはおりないということですね。1年以上の懲役もしくは禁錮の場合は生涯、入国拒否の対象になります。
前科がある方でも日本に上陸する特別な必要があるというときには、『上陸特別許可』を求めるケースがありますが、ハードルが高いです。桂さんの場合、あくまでもお仕事の関係で、かつ日本にご家族がいないとなると上陸の許可を出すことは難しいはずです。特に薬物の逮捕歴に関しては日本への蔓延の危険性なども考えると、許可はより厳しくなります」
前出のA氏は言う。
「数年前も関係者の方が何度も入国管理局に出向き、申請について聞いたら『1年以上の実刑を受けているとビザはおりません』との回答だったといいます。今回、どうやって入国するのでしょうか」