雅子さまは12月9日、57歳の誕生日を迎えられた。
誕生日に際してのご感想にでは、新型コロナウイルスによる影響を案じられるなか、こう綴られている。
《家庭内での暴力や子供への虐待が増加している可能性があるということも耳にしており、案じています。大きな禍に見舞われている社会の中で起こりやすい問題とはいえ、今後、皆が心穏やかに日々を過ごせるようになることを願ってやみません》
児童虐待は、雅子さまがこれまでも強い関心を示されてきた問題だ。’18年に発表されたお誕生日に際してのお言葉には、このような一節が綴られていた。
《最近、国内では、子供の虐待や子供の貧困など、困難な状況に置かれている子供たちについてのニュースが増えているように感じており、胸が痛みます》
さらに昨年、56歳のお誕生日に際してのお言葉でも《プラスチックゴミなど多くの環境問題や、日本国内の貧困や子供の虐待などの問題、また、世界で紛争や内戦が続いていることなどにも心が痛みます》と言及されている。
3年連続で、児童虐待への憂慮を示された雅子さま。「子供の虐待を防ぎたい」というお気持ちを、繰り返し訴えられているのだ。
これまでも雅子さまは、困難な状況にある多くの子供たちを励まされてきた。愛子さまを出産された翌年は、世田谷区内の社会福祉法人「福音寮」をご訪問。療養に入る前の’03年には、東京都社会福祉事業団「石神井学園」を訪れ、保護者がいない子や虐待を受けた経験のある子供たちと交流を深められた。
新型コロナウイルスの影響下では、子供たちの支援にいっそう強い関心を寄せられている。
今年10月1日、小中学校の校長会会長や東京都教育委員会教育長ら4人を赤坂御所に招き、天皇陛下と雅子さまはコロナ禍の教育現場について説明を受けられた。雅子さまは「家庭での虐待は大丈夫ですか」などと熱心に質問され、懇談の時間は予定より60分ほど延長になったほどだった。
コロナ禍の長期化でより柔軟な対応が必要となっているなか、雅子さまも動き出されているという。
「天皇陛下と雅子さまは11月18日、日本赤十字社医療センターなど全国4つの病院を赤坂御所からオンライン上で視察されました。両陛下の“オンライン視察”は初めての試みでした。“苦しい状況の子供たちを励ましたい”というお気持ちを強く持たれている雅子さまは、子供たちを励まされるため、今後は児童養護施設などにリモートを活用して視察をされることもお考えではないでしょうか」(宮内庁関係者)