■文書に綴られていた“29年半”の総括
前出の香山さんは、雅子さまが文書で愛子さまに言及されていなかったことについて、次のような印象を持ったという。
「愛子さまを育て上げられたという自信を、雅子さまはお持ちになっているのでしょう。
愛子さまを自立した成年皇族として尊重され、いつまでも付き添われるのではなく、任せることはお任せになるということをお考えになっているのかもしれません」 お誕生日当日の報道に向けて、ご感想が書かれた文書は前日の12月8日までに宮内記者会に対して配布されるのが恒例となっているが、今年は――。
「内容は全体として、国際情勢からエリザベス女王の国葬参列、地方での行幸啓、国民が苦しむ物価高やサッカーW杯での日本代表チームの健闘など、多岐にわたって言及されています。
また、雅子さまはギリギリまで推敲を重ねられていらっしゃるそうで、そのせいか今年は予定よりも3時間ほど配布が遅れました。これまでも予定より遅れる年はありましたが、今回の内容から見ても、より思いを込めてまとめられたのかもしれません」(前出・皇室担当記者)
ご体調の快復と、強められた自信は、文書のほかの箇所にも現れている。雅子さまは、“29年半”という時間を総括するかのように、こう心境を明かしている。
《29歳半までの前半にも、また、皇室に入りましてからの後半にも、本当に様々なことがあり、たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら歩んできたことを感じます》
“悲しみの時”に流した涙を、雅子さまは生きる糧と結びつけられたのかもしれない――。
「人生を振り返られるなかで、おつらく悲しい時期を客観的にご覧になることができるようになり、より皇后としてご自身のお務めを果たすという覚悟を固められていらっしゃるのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)
50代最後の1年にして、闘病20年目という節目に打ち出された“国母の全快宣言”。雅子さまのほほ笑みは、より一層輝きを増されていくはずだ――。