2022年9月、エリザベス女王の国葬に参列されるため、天皇陛下と雅子さまは訪英された。両陛下は生前のエリザベス女王から直々に招待をお受けになっており、2020年春に訪問される予定だったが、コロナ禍で実現できずにいた。女王から受けた“恩義”のため、異例ともいえる国葬への参列を決断されたのだ。
「両陛下は即位後、女王と対面を果たせなかったことに非常にお心を痛められておりました。慣例では、天皇が葬儀に参列することはありません。例外として、1993年に上皇ご夫妻がベルギーのボードワン国王の国葬に参列されたことがあるのみです。
異例のことではありましたが、両陛下が直々に英王室や英国民へ弔意をお示しになるためにかの地へ赴かれることができて、本当によかったと思います。また、体への負担が大きい海外ご訪問のスケジュールを無事にこなされたことで、雅子さまも以降の公務に対するご自信を高められたようです」(宮内庁関係者)
国葬に参列した両陛下は、英国側に負担をかけたくないという理由から、専用車での移動を固辞され、バスに相乗りしてウェストミンスター寺院へ移動された。両陛下の訪問国の事情に配慮したご姿勢や参列時のお姿には世界各国から賞賛する声が上がった。
さらに、雅子さまが病身でありながら弔問のため英国に駆けつけられたことを、英王室から市民までが絶賛したのだ。英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう話す。
「英国民はもともと日本の皇室への関心が高く、雅子さまが長年にわたって療養されていることは日本人が意外に思うほど広く知られています。また、雅子さまが外交官だったことも高く評価されていて、そうした方が皇室という特別な環境に入られ、適応障害になられたことに対しては同情的な声が多く聞こえます。
英国社会はメンタルヘルスへの理解も深いものがあり、女王の国葬に参列されたことについては現在もなお、《よくおいでくださった。お元気そうでよかった》という声ばかりが聞こえています」
英国から帰国されてからは、コロナ禍で控えられてきた地方へのご訪問も再開され、国民と交流される機会も格段に増えた2022年。皇居を訪れた海外賓客とお会いになるときの対応にも、英国では注目が集まったという。
「11月にモンゴルのフレルスフ大統領夫妻とラウンドテーブルで懇談されたことを評価する論調や声も見受けられました。日本の皇室では女性に皇位継承権がないことなども英国で知られており、“男女同権ではない”というイメージがあるようです。
そういったなかでも、両陛下がご一緒に並んで国際親善の場に臨まれているお姿に対して、“新しい皇室像を模索されている”という風に、とても興味をもって見られています。なんといっても英国は“円卓の騎士”の国ですし、あらゆる差別に対して敏感に反応しやすいお国柄でもあるからです。
また、両陛下と愛子さまの家族仲が良いことも報じられてきました。将来的に、両陛下と同じように愛子さまもオックスフォード大学などへ留学される可能性が高いと言われていますが、きっと英王室や市民からも大歓迎されるでしょう」(前出・多賀さん)
天皇ご一家に対して世界中から上がる絶賛の声は、今後もさらに広がっていくだろう――。