■陛下が撮影された月食写真の公表は1カ月半後
前出の宮内庁関係者は、2つの意識改革が必要だと指摘する。
「1つは広報に携わるスタッフだけではなく、両陛下の侍従にいたるまでの職員たちの意識改革です。
昨年12月22日に宮内庁は、天皇陛下が撮影された皆既月食の写真を公開しました。写真はどれも素晴らしいもので、当日は雅子さまや愛子さまと観察されたそうですので、天皇ご一家の円満ぶりを示すものだと思います。
しかし皆既月食があったのは11月8日。ご一家でのご観察という説明を受けた宮内記者会が侍従に『ぜひその日の写真を』と、要請してから1カ月以上もたってようやく公開されたのです。
侍従も公務関連の事項を優先すべきと考え、陛下に急いでいただくことはしなかったのでしょうが、こんな状況では “タイムリーな情報発信”は不可能です。情報発信強化のためには、天皇陛下や雅子さまに対しても、“国民がどのような情報を望んでいるのか”を説明し、物おじせずに意見を具申できる人材が必要になるのです」
■“皇族の意識改革”は両陛下にしかできない
職員問題については、前出の河西さんもこう考えているという。
「宮中にはオモテ(事務方)とオク(身辺のお世話)があり、密接に関わりあっています。おそらくSNSも公私のどちらかだけではなく、双方が関係する情報を載せることになるでしょう。
各部署が好き勝手に情報を載せていくのではなく、どういう方針に基づいて、どういう情報を載せるべきなのか、全体像を把握し、的確に判断できる人が広報室には必要だと思います。とくに天皇皇后両陛下や皇族方、宮内庁長官や侍従長にもアドバイスできる人が望ましいのではないでしょうか」
もう1つの意識改革は、皇族方自身に求められているという。前出の宮内庁関係者が続ける。
「以前、ある皇族が体調を崩されたときのことですが、その原因について事実と異なる報道がされたことがありました。側近がその皇族から正しい原因について“口止め”されていたことから、誤報が流れてしまったようです。
たとえば秋篠宮さまも“将来の天皇”である悠仁さまについて、十分に情報を出されているとは言えない状況です。皇室の方々にも“正しい情報をいち早く社会に公表する”という意識を持っていただかなければいけないのですが、職員が促すことは至難です。それは天皇皇后両陛下にしかできないことなのです」
悲願の“世界の子供たちを守る発信”を始めるために……、天皇陛下と雅子さまによる“宮中意識改革”が始まろうとしている。