2月23日に63歳のお誕生日を迎えられた天皇陛下。ご即位からおよそ3年10カ月、そのうち約3年がコロナ禍と重なってしまった令和だが、天皇陛下と雅子さまは、“ウィズコロナの皇室”についても明確な展望を描かれているという。
「お誕生日に際しての会見で天皇陛下は『皆さんと直に会ってお話ができるようになったことは、私たちにとっても、とても嬉しいことでした』と、おっしゃっています。
“感染状況に十分注意を払いながら”と、慎重な姿勢も示されていらっしゃいますが、今後は国民とのふれあいも増えていくのは間違いありません。その代表といえるのが5年ぶりに催される園遊会です」(前出・皇室担当記者) 園遊会は毎年春と秋、東京・元赤坂の赤坂御苑で、天皇皇后両陛下が主催されてきた大社交会。’18年11月に開催されて以降、皇位継承にともなう儀式や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で取りやめが続いていた。
前出の皇室担当記者が続ける。
「宮内庁が令和初となる園遊会の開催を発表したのは陛下のお誕生日の前日、2月22日のことでした。新型コロナの感染法上の位置づけが5月8日に『5類』に引き下げられることが決まりましたので、それを踏まえ、5月11日に催されることになりました。
園遊会では栃木県の宮内庁御料牧場の食材を使った焼き鳥、ジンギスカンや、ビール、日本酒などの飲み物なども供されてきたのですが、飲食物の提供方法などについてはこれから検討するそうです」
招待されるのは中央官庁が分野ごとに推薦した功労者のほか、官僚、自治体関係者やその配偶者。以前は2千人ほどが出席したが、5月の園遊会では半分程度になる見込みだという。
「招待客のなかでも、華となるのが“学術・教育・芸術関係”枠の招待者です。トップクラスのアスリート、俳優、アーティストらが選ばれ、両陛下や皇族方と彼らの会話は注目されています。
’18年の春の園遊会には平昌五輪で金メダルを獲得した羽生結弦選手が招待されました。上皇さまは羽生選手が右足首の靱帯を損傷しながら臨んだ五輪だったということもご存じで、『けがをした後は気を使っての練習だったのでしょうね』と、ねぎらわれました。羽生選手が『練習できない期間も学べることがたくさんありました』と答えると、上皇さまは感心されていたのです」
羽生にとっても忘れられないひとときになり、園遊会後にこう語っていた。
「両陛下をふくめ、皇族の方々から温かい言葉をいただき、これから現役を続けていくにあたり、非常に大きな力となりました」
歴史的ともいえる出会いを生み、出席者のその後の人生の励みともなる園遊会。5月には誰が招待されるのか、とても気になるところだが、選考にはかなり苦労が多いという。
宮内庁関係者はこう語る。
「人数が通常の半分に絞られるうえに5年ぶりですからね。選考を委ねられている各省庁も苦心するはずです。 著名人の招待者で多いのは、五輪やパラリンピックのメダリスト、ノーベル賞受賞者、国民栄誉賞受賞者、人間国宝、社会貢献に寄与した人物などです。
しかしスポーツ界だけでいっても’18年秋の園遊会以降に、東京五輪・パラリンピック(’21年)、北京五輪・パラリンピック(’22年)、FIFAワールドカップ・カタール大会(’22年)が開催されました。
金メダリストだけ、活躍した選手だけに絞ったとしても、かなりの人数になります。宮内庁内で特に有力視されているのは、東京五輪で金メダルを2つ獲得した大橋悠依選手、北京五輪で金メダルをはじめ4つのメダルを獲得した髙木美帆選手です。スポーツ界以外では史上最年少でタイトル5冠を成し遂げた将棋の藤井聡太竜王も有力候補です」