■英国へご出発の際、他家からはお見送りがなく…
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんもこう語る。
「特に広報室開設は、秋篠宮家への誹謗中傷を抑制するために、秋篠宮さまのご主導で進められた感もあります。“秋篠宮家が公的機関を私物化しているように見える”と、批判を受けかねません。そうした“秋篠宮家は特別”という意識から、宮中で孤立しているように見えるのです」
前出の宮内庁関係者によれば最近、“孤立”を象徴するような場面もあったという。
「5月4日、ご夫妻が訪英のため秋篠宮邸を発たれる際、佳子さまと悠仁さまが見送られましたが、ほかに皇族はいらっしゃいませんでした。
海外ご訪問の際のお見送りについて、明確なルールはなく、天皇陛下が皇太子さまでいらしたときも、東宮御所でのお見送りは雅子さまや愛子さまのみというケースも少なくありませんでした。しかし陛下がご即位前の’18年にフランスへ公式訪問された際には、雅子さまのほかにも秋篠宮ご一家や高円宮ご一家など六方が東宮御所で見送られたのです。
今回の訪英は、皇室にとっても重要な案件であったにもかかわらず、ほかの宮家からはお見送りに誰もいらっしゃらなかったことから、秋篠宮ご夫妻とほかの皇族方の距離を感じました」
秋篠宮ご夫妻の“特別意識”について、小田部さんは次のように解説する。
「小泉政権下で女性宮家創設が議論されましたが、‘06年に悠仁さまが誕生されたことで議論が立ち消えになりました。秋篠宮ご夫妻のご判断により男系男子が誕生し、将来に男系の皇統をつなぐことができたわけです。
それは確かに功績であり、秋篠宮家の存在感は増したわけですが、結果的に女性天皇や女性宮家の議論はずっと先送りにされ続けているのも事実です。これは男系男子がいないために存続の危機に立たされている宮家の立場からすれば、憂慮すべき事態でもあります。
いっぽうで秋篠宮ご夫妻は悠仁さまを将来の天皇として育てるという重責を負われました。そのため前例にない、筑波大学附属高等学校へのご進学を選択されたわけです。しかし経緯は十分に説明されたとは言い難く、今後控えている大学受験で“皇族が国民と競う”という事態も起きかねません。“国民とともに歩む”というご自覚が欠けているようにも思えます」
さらに秋篠宮ご夫妻の眞子さんの結婚騒動後のご姿勢も、ほかの宮家との亀裂を深めることになったという。
「一連の騒動の影響による皇室自体の権威の低下も指摘されています。それにもかかわらず、秋篠宮ご夫妻が他家に対して誠実にフォローをされたという話は聞きません。それが宮家の方々に“自分たちは秋篠宮家から軽視されている”という思いも生じさせているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
政府専用機を利用されたご訪英で皇嗣と皇嗣妃としての自覚を強められた秋篠宮さまと紀子さま。“国民やほかの宮家とともに”という原点に回帰することで、孤立への道を回避していただきたい。