天皇陛下と雅子さまは、2月16日、東京都美術館で開催中の「第98回国風盆栽展」をご覧になった。愛子さまも同行され、1934年から続く国内最古の公募により出展された盆栽などを鑑賞された。
「天皇陛下は『国風賞』に選ばれた推定樹齢400年の『真柏』という種類の盆栽を前に、担当者に細かい箇所まで質問されておりました。ご一家で会話されながら、盆栽にお顔を近づけて枝ぶりなどをご覧になるなど、楽しまれていたようです」(宮内庁関係者)
じつは、天皇陛下の“盆栽愛”は中学生以来なのだという。初等科時代からのご学友はこう明かす。
「中等科のころ天皇陛下は盆栽がお好きで、それが“じい”というあだ名の由来になったというエピソードがあります。
ある演奏会で『G線上のアリア』を演奏された天皇陛下が、私たちに『最近盆栽に凝っているんだ』とおっしゃったことがあったのです。友人の一人が『それじゃ、じいさんだね』と応じると、陛下が『だから、じいさん(G線)上のアリアなんだよ』とお答えになって、みんなで大笑いしたことがありました。
学校内の植木や盆栽を見てよく枝ぶりを褒められていましたし、そのころから関心を強く持たれていたのだと思います」
今回鑑賞された「国風盆栽展」は、雅子さまも以前からご一緒にご覧になってきた。
「天皇陛下が初めて同展をご覧になったのは1993年で、以来たびたび足を運ばれてきました。そして27年前の1997年に開かれた第71回展は、初めて雅子さまとご一緒に鑑賞されたのです。じつは、雅子さまも盆栽鑑賞がお好きで、両陛下はこれまでも何度か展覧会を訪れては、盆栽を愛でられておられます。
お住まいの御所をはじめ、皇居のあちこちには盆栽が置いてあります。日常的に、陛下と雅子さまはご一緒に鑑賞され、楽しそうにお話しになることがよくあるそうです」(前出・宮内庁関係者)
両陛下のご趣味にとどまらず、盆栽は国際親善の場でも役立ってきたという。前出の宮内庁関係者はこう続ける。
「盆栽は世界的に評価されている日本文化のひとつです。宮中での昼食会やお茶会などに招かれた外国の君主や元首が目にすることで、その場の話題に繋がっていくケースは少なくありません。両陛下が盆栽についての深い造詣をお持ちになっていることで、国際親善の面でも大いに役立っているのです」
盆栽を通じて育まれた両陛下の絆は、世界との結びつきにも役立っていたのだ。