■両陛下にとってスイスは思い出の地
雅子さまが“海外への私的なご旅行”を控えられてきた理由について、長年、皇室番組の制作に携わってきた放送作家のつげのり子さんは次のように語る。
「雅子さまは’06年8月に、オランダのベアトリクス女王(当時)のご招待を受けて、ご一家でオランダで静養されました。
当時は海外でのご静養に否定的な声も上がりましたが、天皇陛下は批判の矢面に立たれることも辞さないご覚悟で、雅子さまのご回復のために英断を下されたのです。このオランダご静養は雅子さまの回復にとって、かなり効果もあったそうです。
しかし雅子さまは、陛下に感謝されつつも、いっぽうで申し訳ないというお気持ちも抱かれたのではないでしょうか。そうした経緯もあり、私的なご旅行は控えられてきたのだと思います」
お誕生日会見で天皇陛下は、英国ご訪問についても言及し、『雅子にとっては、実に30数年ぶりのオックスフォードとなり、本人もとても喜び、懐かしがっていました』などと語られ、お二人で赴かれたことに感無量でいらしたようだった。
「今年は戦後80年で、硫黄島・沖縄・広島・長崎と天皇陛下と雅子さまは、各地を訪問されます。モンゴルご訪問もあり、雅子さまのご体調面に過大な負担となる日程になると思われます。
そうした試練に挑まれる雅子さまを慰労する意味でも、来年以降もし機会があれば、雅子さまが希望される場所にお連れしたいと、陛下がお考えなのは間違いないでしょう」(宮内庁関係者)
20年ぶりの“海外ご旅行”が実現するとすれば、雅子さまが希望される場所とは、どこなのだろうか? 雅子さまを少女時代から知る人物はこう語る。
「雅子さまにとって思い出深い国といえば、まずスイスが思い浮かびます。お母さまの優美子さんが双子の礼子さん・節子さんを出産した当時、ご家族で滞在していたのがスイス・ジュネーブでした。
幼いころばかりではなく、’81年にはベルモントハイスクール時代の親友に会うために、同国を訪問されたりしています」
ご成婚時には宮内庁が、’83年8月にスイスのリゾート地・ツェルマットに滞在中の雅子さまや妹さんたちの写真を公開している。
「天皇陛下は’14年にスイスを公式訪問されています。雅子さまはご体調不良もあり、同行はかなわなかったのですが、陛下は公式訪問前の会見で、『幼少のころから何度かスイスを訪れたこともある雅子も残念に思っています』と述べられていました」(前出・皇室担当記者)
会見で陛下はこうも語られた。
「雅子本人からもスイスに行った時の写真を見せてもらったことがあり、マッターホルンの近くの非常にきれいな湖で撮った写真があり、ツェルマットの辺りの景観などもとてもきれいだったというような話を聞いております」
陛下ご自身も英国ご留学時代にスイスでスキーも楽しまれており、オックスフォードと同じように、共通の思い出の地なのだ。
「陛下は65歳のお誕生日の会見で、雅子さまが日本赤十字社の名誉総裁を務められていることや、愛子さまが日本赤十字社に就職されたことにも言及されていました。
赤十字国際委員会の本部はスイス・ジュネーブにあります。陛下と雅子さまが本部を表敬訪問し、職員らとの交流のご様子が注目を集めることで、世界の人道問題に寄与することもできるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
青く輝く湖畔に立たれる天皇陛下と雅子さま……。そんなフルムーン旅行が実現する日が待ち遠しい。
