■“養子縁組”案も一時しのぎの改革案
さらには、“結婚後の女性皇族の身分保持”についても、まるで“政略婚”を前提にした動きすら浮上しているというのだ。
「結婚した女性皇族の夫と子に皇族の身分を認めるかどうかについて、各党・会派の間で議論が分かれていました。しかしここにきて自民党は、旧11宮家に限り皇族とする案も示したのです。ただこれも、“愛子さまをはじめ女性皇族が、旧宮家の男性と結婚すれば家族内の一体感を維持できる”という意見も浮上しかねないのです」(前出・宮内庁関係者)
そして、4月3日付の『朝日新聞』の「声」欄に、皇室ジャーナリストとして長年活躍してきた久能靖さん(89)の投稿が掲載され、一部で注目を集めた。
《そもそも現在検討されている2案は、一時しのぎの改革案にすぎない》
とまで断じた内容について、久能さんに聞いた。
「皇室の危機を、国会議員だけで決めてよいのかと危機感を抱き、投稿という形をとりました。そもそも今論じられているのは、皇族数の減少を食い止めるという議論だけです。旧宮家の男系男子を対象とした養子縁組案も、戦後に皇室を離脱し、私たちと同じ国民として自由な生活を送ってきた旧皇族の子孫の方が皇室に入ることを、そもそも国民は納得できるのでしょうか」
“男系の維持”を頑迷なまでに推し進める自民党。象徴天皇制のあり方はおろか、愛子さまの結婚の自由すら奪いかねない危機。陛下の憂悶は深まる一方なのか──。
画像ページ >【写真あり】賀陽宮恒憲王夫妻(後列左)とその家族。現当主の正憲氏は、恒憲王の孫にあたる(他19枚)
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