《天皇ご一家の“癒し役”》西村宮内庁長官が退任へ…SNS対策に奔走、眞子さんへの誹謗中傷にも危機感
画像を見る オンラインで第40回全国豊かな海づくり大会に臨席される両陛下(写真:宮内庁提供・2021年10月3日)

 

■オンライン行幸啓や広報室の実現に奔走

 

天皇陛下と雅子さま、そしてトップとなった西村長官が直面したのは、2019年末から世界を覆ったコロナ禍だった。前出の宮内庁関係者はこう続ける。

 

「令和皇室が本格的に始動し、国民との距離をさらに近づけようとしていた矢先のことでした。国民とふれ合うことができなければ、皇室の存在が薄れ、それが長引けば存在価値すら問われてしまうと、日々両陛下は危機感を募らせていらしたのです。

 

そうした両陛下の思いを受け止めた西村長官は、オンラインでの行幸啓というインターネットを駆使した交流の形を模索し、実現にいたりました。これにより皇室は、遠隔地の人々とも交流できる新たな手段を得たといえます」

 

存亡の危機に直面した皇室を守る盾としての役割を果たしつつ、西村長官はもっとも身近にいる側近として、心温まる一幕も演出していた。

 

「そして2021年12月に成年された愛子さまの行事も、コロナ禍のなかでもつつがなく終えることができ、ご一家と長官との連帯感もより高まったようにお見受けしています。

 

時には大好きな野球談議をなさったりと、“癒し役”として、ご一家も頼りにされていらっしゃったのではないでしょうか。退任時期は、省庁の幹部人事は国会会期中を避けるので、早ければ年内、年明けの新年行事が終わったタイミングではないかとみています」(前出・宮内庁関係者)

 

西村長官の功績は、退任後も皇室を守る組織を立ち上げたことだろう。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう語る。

 

「西村氏は広報室を新設し、インターネット上の情報発信、SNS対策の土台を作った功績は大きいと思います。また初代室長には、出身の警察庁から公安畑の優秀なキャリア官僚を登用していることから、広報室の設立には通常の広報だけではなく、眞子さんの結婚に関して増えた誹謗中傷への対策が重要という方針が窺えます。こうした面では警察との連携が重要ですから、今後も広報室長は警察庁からの出向者のポストになるでしょう」

 

平成のころ、上皇ご夫妻は長官や侍従長が勇退した際には、その夫人も招いて四人だけで夕食会を開き、労われていたという。

 

「積年の恩への感謝を込め、絵画や工芸品を贈られるのも慣例となっていました。ただ陛下が皇太子時代から、雅子さまのご体調のことや近年のコロナ禍もあり、これまで慰労の夕食会が開かれることはなかったと聞きます。

 

しかし令和となり、さまざまな困難をともに乗り越え、支えてきた西村長官には、“何としても感謝を”と雅子さまはお考えであるように拝察しています。両陛下、愛子さまは異例のことであろうとも、そうした場を設けられるのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)

 

皇室の危機に立ち向かい、支えてくれた最側近との惜別――。雅子さまは陛下と愛子さまとともに、夕食会で感謝を形にされるはずだ。

 

画像ページ >【写真あり】始球式に臨む警視総監時代の西村宮内庁長官(他9枚)

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