5月23日、80歳という史上最高齢でのエベレスト登頂を達成した三浦雄一郎さん(80)。その強靭な肉体は、いったいどのようにして作られたのだろうか。さぞかしストイックな生活を送って来たと思いきや、意外にも“メタボ”に悩んだ時期もあったという。

 

プロスキーヤーとして知られる三浦さんが世界七大陸最高峰全峰の滑降に成功したのは、53歳のとき。その後、人生の目標を見失った彼は164センチで88キロ超、体脂肪率40%にまで太ってしまった。しかし、65歳のときに“70歳でのエベレスト登頂”を決意。トレーニングに励み、食生活の見直しも始めたのだ。

 

本来は1キロの肉もペロリと平らげるほどの肉食という三浦さん。そんな彼が頼ったのがアンチエイジングのエキスパート、順天堂大学院加齢医学制御講座の白澤卓二教授だった。『長寿遺伝子をオンにする生き方』(青春出版社刊)などの著書も出している白澤教授は、加齢を制御する上で“腹七分目”にすることが重要だと説いている。今回、三浦さんの主治医としてもそうした食事制限による指導を心がけたという。

 

「三浦さんとは、彼が70歳でエベレスト登頂したときからですから、10年来のお付き合いです。もともと食べたり飲んだりがとても好きな人なので、下山してから最初の1~2年は反動もあって太ってしまう。普段から理想体重をキープしてほしいところですが、本格的なトレーニングに入る3年目から、メタボ化した体を絞り込んでいくことにしました」と語る白澤教授に、快挙を支えた“若返り”の食卓ルールを教えてもらった。

 

●ビールは1日500ミリリットルまで!

「酒量と脂質や塩分摂取は連動しているので、酒量を控えるように伝えています。三浦家は太りやすい体質で、糖尿病にもなりやすい家系なので注意が必要です」と語る教授によると、アルコールは1日30グラム程度までに抑えるべきだという。ビールなら500ミリリットル、ワインならグラス3杯までだ。

 

●肉は色んな種類をまんべんなく!

「下山1~2年目はお気に入りの焼き肉店によく行かれますが、回数を減らすようお伝えしています。お肉の食べ過ぎは動脈硬化が心配ですから」というが、三浦さんにとって肉は重要なたんぱく源。上手に食べればしっかりスタミナもつく。「大切なのは、豚、牛、鶏、ときには羊といろんな種類の肉をまんべんなく食べることです。豚肉に含まれるビタミンBは牛肉の10倍。牛肉には亜鉛が豊富など、肉によって栄養素も違います」

 

●魚は肉と1対1のバランスで!

「魚に含まれる不飽和脂肪酸は、コレステロールを調整する働きがあります。肉と魚を交互に食べることで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合を一定に保つことができますし、いっぽうで十分なスタミナをつけることができるのです」

 

●鍋料理で野菜を摂取!

「山のキャンプに鍋は定番。体を温めないといけませんからね。キムチ鍋など普通の鍋料理ですが、同じメニューは繰り返さない。違う鍋ものでたくさんの野菜を食べることで、多様なファイトケミカルを摂取できますし、抗酸化作用が働くようにしているのです」

 

野菜や果物に含まれるファイトケミカルは、老化のもとになる活性酸素を除くとされ、アンチエイジング効果が期待される“第7の栄養素“と言われているのだ。三浦さんが実践していたこの5カ条。あなたも今日から“若返り”しませんか!?

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