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いまだ続く厳しい猛暑。この季節、水分補給は不可欠だ。「しかし、飲み方、飲む量によっては、よくも悪くも健康に大きく影響を与えます」というのは、ハーバード大学の元研究員で、在ボストンの内科医・大西睦子さんだ。

 

毎朝、果物の代わりにフルーツジュースを1杯……。そんな習慣に病気のリスクをあげる危険性も!しかしワイン、シャンパン、テキーラなどのお酒には意外な効果もあるという。

 

食や健康の調査・研究を行っている大西先生が、海外の論文や研究結果を基にした“飲み物の最新健康常識”を大公開!

 

【コーヒー】考えられる影響:肝臓がん予防に

 

ハーバード公衆衛生大学院の約13万人を対象とした調査によると、コーヒーを飲む人は、まったく飲まない人と比べて健康リスクは変わらないという。それどころか、別の研究では肝臓がんや肝硬変のリスクが減少する可能性が。

 

【ココア】考えられる影響:動脈硬化予防に

 

原材料に含まれるフラバノールは、血管内皮の機能を高め、動脈硬化の予防に。高血圧や動脈硬化が少ないパナマの民族「クナインディアン」は1日5杯のココアを飲む習慣が。

 

【ワイン】考えられる影響:心血管疾患予防に

 

抗酸化物質であるポリフェノールの一種フラボノイドは、ココアに含まれるフラバノールと同じ効果を望むことができ、心血管疾患予防だけでなく、血圧改善や抗がん作用も期待される。

 

【シャンパン】考えられる影響:認知機能向上、ボケ予防に

 

英国で行われた実験では、人間の量に換算してグラス約1杯分の粉末状にしたシャンパンをラットに投与したところ、記憶や学習に関するタンパク質が脳内で増加したことが判明した。

 

【テキーラ】考えられる影響:骨粗しょう症予防に

 

メキシコで行われた研究において、テキーラの原材料に含まれるフルクタンを投与されたマウスの大腿骨は、投与されなかったマウスに比べて太く、カルシウムも増加していた。

 

【市販のフルーツジュース】考えられる影響:2型糖尿病リスク増加

 

市販のジュースには食物繊維がない場合が多く、血糖値が急激に上昇しやすい。1日1杯以上を飲む人は、果物を週2回必ず食べている人と比べて糖尿病のリスクが21%も上がってしまった。

 

【エナジードリンク】考えられる影響:神経過敏、精神錯乱など

 

米疾病管理予防センターによると、エナジードリンクの中には、1本で炭酸飲料4本分のカフェインが含まれるものも。カフェインの大量摂取は、禁断症状を引き起こしてしまううえ、神経過敏、精神錯乱、不眠などの原因にもなりうる。

 

【スポーツドリンク】考えられる影響:飲みすぎは肥満に

 

発汗によって失われたミネラルを補給するには優れているが、商品によっては、500mlあたりスティックシュガー10本分もの糖分が入っているものも。運動をしていない人が水代わりに飲みすぎるのは留意が必要だという。

 

今回取り上げた調査には、動物実験段階のものもある。しかし、最新常識をふまえて、日ごろの飲み方をもう一度確認したほうがよさそうだ。

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