おやすみ前の何げない習慣によって、脳への負担が蓄積してしまう(写真:アフロ) 画像を見る

認知症は発症すると回復が難しいため、予防・早期発見がとても大事です。食事や生活習慣を見直すことで、発症リスクが下がるという研究データも出てきました。“悪い習慣”を続けていたら、直ちに改めるようにしましょう」

 

そう語るのは、『認知症になる48の悪い習慣−ぼけずに楽しく長生きする方法−』(ワニブックス)の著者で、東京国際大学医療健康学部の岩瀬利郎准教授だ。特に、質のよい睡眠が認知症を防ぐための第一歩なのだという。秋の夜長を前に、就寝前にやりがちな脳に負担をかける習慣を教えてもらった。まずは食習慣から見ていこう。

 

【コーヒーを飲む】

 

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳内にたまり、脳が萎縮することで記憶障害が引き起こされる。

 

「よい睡眠には脳内のアミロイドβを排出させる効果がありますが、睡眠不足や中途覚醒などで熟睡できずにいると、アミロイドβがたまりやすくなるといわれています。

 

コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、睡眠を妨げます。少なくとも就寝時間の5時間前、できれば15時以降は飲まないようにしましょう」(岩瀬准教授、以下同)

 

夕食後に緑茶を飲む人も、玉露はコーヒーよりもカフェインが多く含まれているので注意したい。

 

【寝酒をする】

 

寝つきをよくするためにお酒を飲むという人も多いが、これも睡眠の質の低下を招く。

 

「夜にお酒を飲むと、寝ている間に体からアルコールは抜けていきますが、その反動で眠りが浅くなります。同時に利尿作用があるので夜中に何度もトイレに起きるのもよくありません」

 

お酒を楽しむのであれば、節度を守りつつ、就寝の3時間以内には飲まないようにしたい。

 

【炭水化物を取りすぎる】

 

食後の血糖値を急激に上昇させる食品は、肥満や糖尿病などの生活習慣病、また心臓疾患のリスクを高める。

 

「糖尿病の人は認知症の発症リスクが高まるというデータもあります。特に夕食では血糖値の急上昇を招くごはんやパンなど炭水化物を控えめにして、食事は野菜から食べはじめるなど、血糖値が急上昇しないよう工夫しましょう」

 

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