■「目の動脈硬化」は寒暖差をやわらげ、暴飲暴食を減らすことで病を防ぐ
「とくに冬場の入浴時に注意が必要です。脱衣所や浴室が冷えているのに、急に熱い湯船につかることで血管閉塞が起きやすくなります。脱衣所にも温風機を置くなどして入浴前に暖めておくこと。また、浴室は、湯船に湯をためるときにシャワーを使うと、浴室に湯気が満たされて暖まります」
暴飲暴食が引き金になることも。
「年末年始は飲酒量が増えたり、外食が多くなったりして塩分過多になりがち。血管が詰まる要因になります。適度な運動を心がけ、血圧の管理をする。飲みすぎ、辛いものの食べすぎを控える、などを心がけましょう」
突然、片方の目が見えなくなった場合は、《疲れ目だろう》と放置せず、夜間でも救急対応してくれる眼科を受診しよう。
また、網膜動脈閉塞症と同様のメカニズムで起きる疾患に“網膜静脈閉塞症”がある。
「網膜静脈閉塞症は、酸素を運ぶ“動脈”ではなく“静脈”が塞がれます。動脈閉塞症のように突然目が見えなくなることはありませんが、飛蚊症のように視界に黒い点がたくさん現れたり、視界がぼやけて視力低下が起きたりします」
このような症状が出た場合もすみやかに眼科を受診し、網膜動脈閉塞症と同じ寒暖差対策、暴飲暴食対策をとろう。
■緑内障は目のまわりを温めて血行促進
失明原因の第1位となっている“緑内障”は、そもそもは強い近視がある人、40歳以上で遺伝的な要因がある人、高脂血症、高血圧、糖尿病がある人がなりやすい。そのうえで、寒暖差の大きさも一因となる。
「緑内障は、眼圧が上がって視神経がダメージを受けることで失明に至る病いです。はっきりした原因は解明されていませんが、冬場は眼圧が上がりやすく、とくに寒暖差が大きいと眼圧の変化も大きくなりがちに。眼圧の急激な上昇を防ぐには、日ごろから体を冷やさないようにする工夫も必要です」
日常的に、冷えないように体を温め、ウオーキングなどの適度な運動を心がける、ホットタオルやホットアイマスクで目の周りを温めるなど、血流を促進するようにしよう。