■最も避けたいメニューは「フライドポテト」
「ポテト自体油で揚げているうえに、油が多い食品を電子レンジで温めると、油が劣化してトランス脂肪酸が増加するという報告もあります。トランス脂肪酸を過剰に摂取してしまうと、悪玉コレステロールが増えて、心臓疾患のリスクが高まるという研究もあります。
中高年以降はなるべく食べないようにしましょう」(望月さん、以下同)
そこで、望月さんに中高年以降は避けたほうがいい、電子レンジの再加熱NG料理に順位をつけてもらった。
2位以降は、鶏もものから揚げ、トンカツ(ロース)などタンパク質が豊富な肉の揚げ物が上位を占める。
「晩酌に鶏のから揚げを食べる人は多いと思いますが、再加熱したものはNGです。皮に油が多いので酸化しやすいのと、鶏肉は高タンパクなので、AGEが発生する条件が整っています」
3位のトンカツは、肉にAGE、トランス脂肪酸が多く、血中の悪玉コレステロールが増えてしまう。
「5位のチキンナゲットは同じ鶏でも、使用するむね肉はから揚げに使うもも肉より脂質が少ないので、鶏のから揚げよりも順位は低くなります。
また、煮込みでもNGメニューはあり、豚バラ肉の角煮は、肉の脂身が酸化するとこれも悪玉コレステロールのもとになります。
鮭はDHA、EPAといった体にいい不飽和脂肪酸が豊富なので、生の刺身ならAGEはほとんどありませんが、鮭フライにすると6倍以上一気に増えます。また、DHA、EPAは熱に弱く、加熱すると減少することがわかっています。栄養分がなくなってしまうのは食べ方としてもったいないですね。
そして、揚げ物の衣には小麦粉とパン粉を使うことが多いですが、小麦粉はタンパク質が多く、パン粉は糖質の量が多い。どちらもAGEを増やします」
意外なのは、9位イワシの干物。高塩分のため、細胞が老化しやすくなる。
ほかにも、みりんやしょうゆなど糖質が多い調味料を使うと、魚介類のタンパク質と結びつき、より多くのAGEが発生するという。
さらに、肉や魚を焼いたときにつく「焦げ目」は大敵なので、もともとAGEが多い焼き鳥や焼き肉などは、再加熱は不可。
そしてスイーツで大人気のパンケーキも、小麦粉を練って、卵や牛乳、砂糖を加えて焼くので、きつね色の焦げ目はAGEになる。
しかし、電子レンジで加熱してもよい食材もある。生野菜だ。
「たとえば、ゆでると水溶性ビタミンが流れ出てしまうので、ブロッコリーやカリフラワー、ほうれん草など葉物野菜は、電子レンジでの加熱がよいといわれています。食材によっては電子レンジでの調理がいいケースもあるんですよ」