大人もかかる「手足口病」にアルコール消毒は効きにくい!去年の6倍ペースで感染拡大中
画像を見る 発症したら対症療法しかない「手足口病」。感染しないためにもきちんと手を洗うことが大切(写真:ねこすす/PIXTA)

 

■治っても“感染症ドミノ”で次々と病気になることが

 

では、ウイルスに感染しないためにやるべき予防策は?

 

「アルコール消毒が効きにくいので、せっけんを使って20~30秒ぐらい時間をかけ、流水でしっかりと手洗いすることが大事です。

 

飛沫感染を防ぐためには、マスクの着用。

 

家族が感染したら、家庭内でのタオルの共用はやめる。できればペーパータオルにして、使用するたびに捨てる。

 

幼児が感染した場合の注意点は、オムツ替え。便にもウイルスが存在しているので、オムツ交換後は、とくにしっかり手洗いすることです」

 

「手足口病」には特効薬がなく、特別な治療法もないという。そのため高熱が出た場合などは、解熱剤を服用するといった対症療法が中心となる。

 

いずれにせよ、ちょっと意識がもうろうとしている、胸が痛い、呼吸が苦しいといった異変を感じたら、大人も子どもも、すぐに医療機関を受診することだ。

 

そして治った後も注意する必要がある。それは、いま流行している感染症は「手足口病」だけでないということ。

 

国立感染症研究所によると、手や足の壊死などを引き起こし、致死率の高いことで知られる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者数が、今年に入ってから977人となり、昨年1年間の患者数を超え、過去最多を更新(6月2日時点)。

 

「『感染性胃腸炎』などの感染症も流行しています。1週間程度で『手足口病』の症状が回復したといっても、免疫力や抵抗力が落ちています。そういうときに別の感染症に続けてかかる“感染症ドミノ”が起きる可能性もあります」

 

猛暑が予想されるこの夏は、感染症にはとくに警戒が必要だ。

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