夏の快眠に就寝前の「氷水出し茎茶」ストレス解消&認知症予防にも
画像を見る 茎の部分はテアニン豊富(写真:PIXTA)

 

■安価なだけでない茎茶の魅力は「豊富なテアニン量」

 

ほかのお茶と比較しても、お手ごろ価格で買える茎茶。別名「棒茶」「白折」「雁ヶ音」とも呼ばれている。世間一般にはあまりなじみがなく、よく知られていない茶種かもしれない。茎茶とは果たして、いったいどのようなお茶なのだろうか。京都府宇治田原町にある老舗お茶屋「木谷製茶場」の六代目当主、木谷喜六さんに話を伺った。

 

「製茶のとき、見た目にも白っぽく見えてしまう、茶葉の茎に当たる部分は除かれます。その除かれる茎の部分をお茶として加工したものが茎茶です。煎茶や玉露として販売される茶葉を『本茶』と呼ぶのに対し、茎茶は『出物』と呼ばれており、価格が手ごろなはねものとして通な人が日常使いするようなお茶です」

 

お茶のなかでも、本来使用しない部分でつくられたはねものを活用するため、手ごろな価格なのだ。しかし、この茎茶のよさは安価な点だけではない。なんと、茎部分のテアニンの含有率は、葉の部分よりも圧倒的に多いのだ。お茶に含まれるアミノ酸は、新芽が成長するにしたがって減少していくため、一番茶に最も多く含まれている。さらに、アミノ酸であるテアニンは、一番茶の芽や葉、茎といった部位のなかで茎の部分に最も多いとのこと。

 

「茎茶は低い水温でも溶けだすアミノ酸を豊富に含んでいるので、時間をかけて抽出すれば水出しでもしっかりと味が出ます。また、茎茶は渋味成分であるタンニンの含有量が少なく、アミノ酸のうま味と特有のすっきりとした風味を楽しめます」(木谷さん)

 

テアニンをはじめとするアミノ酸はうま味成分でもあるため、多く含む茎茶の味わいは格別なのだ。

 

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