大分県の国東半島からフェリーで約20分。瀬戸内海に浮かぶ姫島は東西7キロ、南北4キロの小さな離島だ。そこに立つ灯台のすぐ近くで、ハートの形をした木の切り株を発見。これぞ、神話の島が生んだ「ハートの奇跡」だ!

 

姫島の歴史ははるか『古事記』の時代にさかのぼる。伊邪那岐命、伊邪那美命の国生みに際し登場する島のひとつであり、また『日本書紀』に登場する、海を渡ってやってきたお姫様・比売語曽神(ひめこそのかみ)が祀られた社もある。古代ロマンに満ちた島……。

 

「島の人たちでさえ、まだほとんど知らない、とっておきのスポットなんですよ」と言いながら、出迎えてくれた姫島村役場水産・観光商工課の小島安国さん(41)の案内で、島の東端にある姫島灯台へ。灯台への坂道を上っていく途中、公園があり、そこに切り株が!

 

「これはオオシマザクラの切り株で、樹齢は100年くらいと見られています。10数年前の台風の影響で倒れてしまい、放置していたら危険なので木を切ったところ、偶然にもこんなハート型が現れたそうです。ところが最近まで誰も気づかなかったんですよ」

 

ようやく日の目を見るようになったのは、一昨年ごろ。役場水産・観光商工課長の高橋輝義さん(58)が教えてくれた。

 

「公園を通った村の何人かが『あの切り株、よく見るとハート型に見えん?』と気づいたことから、次第に『何かいいことありそう』『ちょっと幸せな気分になれる』と、島でひそかな噂になりだしたんです」

 

高橋課長は、この噂を部下の西村元子さん(23)に伝えたという。西村さんによれば……。

 

「そのころ、彼氏と付き合い始めたばかりだったので、一度見てみようとデートに行ったんです。想像していた以上に、きちんとハート型でビックリでした(笑)。彼と切り株の前で記念写真を撮ったんですが、最高のデートスポットでした」

 

そして’13年5月、元子さんはデートのお相手、役場出納室の西村秀章さん(26)とめでたくゴールイン!夫妻は「ハートの切り株が2人の絆を深めてくれたかも(笑)」と、ともに笑顔で振り返る。これぞ切り株のパワーか、比売語曽神の神通力か?

 

「今後は、この珍しい切り株をパワースポットとして大切に保存したいと考えています。島の新しい観光スポットになってくれれば」(高橋課長)

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