節約は苦しいものーー。お金をためられない人に限って、そう思っている人が多いという。節約を長続きさせたければ、“苦しさ”は不要。大切なのは、ストレスなしに、いかに楽に習慣づけられるかなのだ!
「“お金の話”と聞いただけで、苦手意識が先行して、その場で思考停止する人が多いですよね。でも、全然難しいものではなく、ちょっとしたコツ、ノウハウを使うことで、頭を悩ませるお金の問題がすっきり解消するんです」
こう語るのは、『大人になったら知っておきたい マネーハック大全』(フォレスト出版)の著者であるファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんだ。
もともと「ライフハック」という言葉がある。書類の簡単な整理の仕方から、ゆで卵の上手なむき方まで、ちょっとした工夫で人生を豊かにする「仕事術」や「生活術」を指す言葉。
「マネーハック」はここから派生した言葉で、いわば“お金の裏ワザ”とでも言えようか。それでは、苦労せずに、ちょっとした工夫で、いつの間にか節約できてしまうお金の裏ワザを教えてもらおう
【1】トイレではスマホで家計簿を
家計簿をつけようと思っても長続きしない……そんな人はトイレに座っている時間に、スマホの家計簿アプリをつけてみよう。
「無料アプリでも十分いいものが増えています。操作は簡単。一般的なアプリの場合、起動→日付(多くは自動入力)→費目(クリックで選択)→テンキーで金額入力→登録ボタンで完了。1分程度で終わります」
紙の家計簿の場合、“その日の夜”とか“週末”とかにまとめて書くことが多いが、支出したことを忘れて記入漏れがあったり、時間をとるのがめんどうくさくなって続かない原因に……。一方、スマホ家計簿には常に持ち歩け、いつでも使えるという利点がある。
「コツはお金を使ってすぐにつけることです。トイレの時間以外にも、電車に乗っている時間やテレビ番組のCMの時間など、“何もしていない”時間は多くある。何にいくら使っているかを、アプリが自動計算で、あぶり出してくれるので、家計のムダな支出が一目瞭然になります。家計簿アプリを運営するマネーフォワード社の調査によると、アプリによって収支改善を実感した金額が2万732円となりました」
【2】ショッピング中に500円のフラペチーノを飲む
’18年の家計調査によると、被服費用、履物費用は月平均で9,492円。つまり年間12万円ほど。ところが家に帰って“なぜ買ってしまったんだ”と後悔したまま、タンスの肥やしになっている服があるはず。こうした衝動買いを防ぐには、クールダウンが必要だ。
「洋服店でクレジットカード決済や電子マネー決済が進んでいるのは、即決させるため。客が『お金をおろしてきます』と店の外に出ると、戻ってこないことが多いのを知っているのです」
買い物の基本は、さまざまな情報を得るために複数店舗を見て歩き、考えること。
「そして決断する前に、コーヒーブレークを取ることです。たとえばスターバックスのフラペチーノは1杯500円ほどで“高い”と感じられますが、冷静に振り返って1着の衝動買いを抑えられれば、十分に得したことになります」
衝動買いの失敗をなくせば、1割ほど支出を抑えられるという。洋服なら1年間で1万円ほどになる計算だ。
どれもちょっとした心がけでできるものばかり。爪に火をともすのは昔の話。節約はNOストレスでやろう!
「女性自身」2020年2月4日号 掲載